安浪:そもそも算数に苦労していて、基本問題もやりたくないと言っている状況ということは、塾の授業にもついていけていないんじゃないかな。そのような中で、塾と家だけで立て直していくのは難しいです。最初に言ったように、算数ありきでなく、人ありきで入っていかないと難しい。つまり家庭教師でも、個別でも、近所の大学生でもいいので「この先生の話なら聞きたい」という人を探す。反抗期と重なっている、と書かれているし、女の子だから女子トークのできる女性の先生のほうがいいと思います。

■「わかる気もしないし、やりたくもない」というメッセージ

矢萩:応用問題を嫌がっているって言うのであれば話が変わってくるんですが、基本問題を嫌がっているのだとしたら、「わかる気もしないし、やりたくもない」というメッセージですよね。できるようになりたい、という気持ちがあれば、基本に立ち返ってやりましょう、といえば納得するはずなんですが、今はそういう気持ちになれない。ではその状態に火をつけるにはどうしたらいいかと言ったら、僕も「人」に頼るしかないかな、と思いますね。

安浪:また、女の子は算数に苦手意識を持っていると、それを崩すのが大変です。まずはそのイメージを壊してあげないと、どんなに過去問が解けるようになっても、できなかった自分を塗り替えることができなくて、入試本番まで引っ張ることもあるんです。中学に入って数学になると、ようやくその呪縛から解放されるのですが…。

矢萩:親の判断基準としては、苦手意識を持っていても「説明を聞いたらわかった問題もあったんだけど……」と言うようになったら合格点とする。「よくわかった」とは言わなくても、その日にやったことを受け入れて、「とりあえず少しでも分かる部分があった」となったら確実に一歩は進んでいる。いずれにしても、外部に頼ることを視野に入れた方がいいかもしれない。

安浪:そうすると、どんな人に頼めばいいのか、という話になりますが。家庭教師を探すときは大きく2つに分けられますね。算数など特定の教科や分野を強化したいからつけるのか、学習習慣がないから勉強シッターがわりでつけるのか。志望校にもよりますが。

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