縁日でゲームを何周もしたり、お母さんにあげたい!と八百屋さんで大きくてツヤツヤの柿を買ってきてくれたり(結局ほとんど自分で食べたんですけどね)、とにかく「自分は支払い能力がある」ことがうれしくてたまらなかった次男。
大人の尺度で見ると、ちょっと金遣いが荒い。将来見えを張ってすっからかんにならなきゃいいけど……と心配になっちゃうのですが、ついついためることばかり意識して支払うことにはネガティブな感情になっていた老後が不安な四十路母は、次男の笑顔に「誰かと価値を交換できる喜び」を思い出させてもらったような気がします。
経済活動には人とお金がめぐってどうたら~なんて講釈垂れておきながら、実は自分のほうが子どもたちよりも「交換する価値の向こうにいる人の顔」を見ていなかったのかもしれません。
毎晩今日の報酬をもらいにくる3兄弟のキラキラした表情。ためたお金をきっちり数えておこづかい帳に記録する長男のけなげさ、稼いだ分だけガンガン経済回す次男の自信、大事そうにじっくり選んだ10円玉を取り出したときの三男の得意げな顔。
お金との付き合い方はこれから時間をかけて学んでいくと思います。でも、お金を稼ぐこと、ためること、使うことへのポジティブな感情はこのまま消えないでいてほしい。もちろん守りに入りがちな大人も、たまには家族の笑顔を買う楽しいお金の使い方をしたいものですね。
○tomekko/主婦力は低いが妄想力は高いアラフォー。3兄弟に育てられる日々。イラストレーター、漫画家、コミックエッセイスト。10歳(小5)、6歳(小1)、4歳の男子3兄弟に夫とほぼ男子校な日々を綴っているポンコツ母さん。主な著書に『飛んで火に入る』(講談社モーニング)、『おっとり長男もっちり次男きょうだい観察手帳』(赤ちゃんとママ社)など。『AERA with Kids』で連載中の「脱・カンペキ親修行」は5年目に突入!長男が1年生から始めた家事とセットのおこづかい制。長い休みのときに3兄弟が懸命に仕事をしながらおこづかいをためている。おこづかいについてはブログでも詳しく紹介しています→http://tomekko.blog.jp/archives/10360200.html
朝日新聞出版

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