■みんな「そんなもん」だから気にする必要なし!

安浪:先ほどクラスによって差が開く、という話があって、確かにそうなんですけど、上のほうのクラスの子であっても、受験が終わって振り返った時、「夏の後半は何をやっていたかほとんど覚えていない」と言っている子も多いですよ。みんな、そんなもん、なんだから気にする必要なし!

矢萩:繰り返しますが、まずは2週間夏期講習を休んでしまったことをお母さん自身が絶望的なことだ、と思わないことでしょうね。絶対に取り返せるから大丈夫、と思うこと。そうでないと、いつまでたっても「ほら、あの時コロナなんかになったから」とずっと引きずってしまう。まずは元気になってよかったよね、と喜んであげて、その分頑張っていこうよ、と励ます。何かのせいにしないでほしいんです。

安浪:そもそも8月の2週間程度で差はつきません。まだ夏で良かったですよ。以前、1月の前受けが終わって、本番までの2週間で体調を崩してしまった子がいて。パニックになられたお母様から相談されたのですが、その時も「全然大丈夫です。2週間程度で学力は落ちません」と説得して、本番ではお子さんもいい調子で向かうことができました。大事なのはどんなことがあっても崩れないメンタルです。

矢萩:学力は、上がるも下がるも2週間じゃ無理だよ、という。

安浪:本当にそうです!

(構成/教育エディター・江口祐子)

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安浪京子 矢萩邦彦
安浪京子 矢萩邦彦

安浪京子(やすなみ・きょうこ)/「きょうこ先生」として親しまれている中学受験専門カウンセラー、算数教育家。佐藤亮子さんとの共著『親がやるべき受験サポート』(朝日新聞出版)が好評。最新刊は『中学受験にチャレンジするきみへ 勉強とメンタルW必勝法』(大和書房)。

矢萩邦彦(やはぎ・くにひこ)/「知窓学舎」塾長、多摩大学大学院客員教授、実践教育ジャーナリスト。「探究学習」「リベラルアーツ」の第一人者として小学生から大学生、社会人まで指導。著書に『子どもが「学びたくなる」育て方』(ダイヤモンド社)『新装改訂版 中学受験を考えたときに読む本 教育のプロフェッショナルと考える保護者のための「正しい知識とマインドセット」』(二見書房)。

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