安浪:私も夏休み前は「夏は大事です」という発信をせざるを得ないんですよ。実際大事なんですけど、大事だとわかった上で夏を「価値ある時間」として過ごせた子がどれほどいるかと。実際は半分もいないと思いますよ。大体の子が途中でダレる。同じ調子で夏休み全部走り続けることはできないんです。前半頑張ったら後半は崩れることが多いし、その逆もある。もし息子さんが前半頑張っていたのなら、コロナになってなくても後半は崩れていた可能性があります。
矢萩:あと、秋になってから落ち込んでいるきっかけ、確かにコロナで休んだことかもしれないけれど、他に根本理由があるかもしれませんね。そこまで「ダメだ」となるということは、他にも不安要素がたくさんあったり、自信がなかったり、うまくいっていないことがあったりするはずです。そこを見つけて解消してあげることができれば、怪我の功名になるかもしれない。そういう視点も持ってあげるといいかな。
安浪:なかには6年の9月から受験勉強を始める子もいるんですよね。急に受験したい、って思い立って。9月からすごい勢いで勉強して合格していく子もいて。夏に何をしていたか、というのは関係なく、スタートが遅くても頑張って成果を出す子もいるんです。息子さんは今までやってきているんだから、秋から始めた子と比べたらアドバンテージがありますよね。たかだか8月後半の2週間ぐらいでメソメソするな、と(笑)。どのみち、夏休みが終わっても8割以上の子がまだ基礎さえ定着していないんですよ。だから我々プロもまだ過去問を解かせられなくて、11月ぐらいまでは基礎のインプットの授業が多いです。だから全く気にする必要はない。矢萩さんがおっしゃるように、これは何か理由にしたい、言い訳にしたい、という気持ちが強いのかもしれないなって思います。
■親が一緒になってオロオロしてはダメ
矢萩:そうですね。まずは親御さんが「大丈夫」と思わないと。一緒になってオロオロしていてはダメですね。
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