体操男子の五輪金メダリスト・内村航平さんの母、内村周子さん(60)。故郷・長崎で、航平さんも学んだ「スポーツクラブ内村」にて体操やバレエを指導するかたわら、実は都内でも毎週、渋谷区と江東区で子ども向けの「内村周子体操教室」を開いている。「365日中、休み0日」という超多忙な日々を分刻みのスケジュールで駆け抜ける周子さん。都内でのレッスンをのぞき、航平さんのころから続いている“周子メソッド”について聞いた。

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(撮影/写真映像部・高野楓奈)
(撮影/写真映像部・高野楓奈)

――2017年から東京都渋谷区で未就学児とその親を対象に、今年4月からは江東区で未就学児・小学生を対象にしたレッスンをされています。都内でも指導を始めようと思った理由は?

 自分から都内で教室を開こうと思ったのではなく、声をかけてもらったからです。長崎に住んでいる私が都内でお仕事をするというのは大変なこと。でも、必要としてくれる人がいるならぜひやってみよう、と思いました。

――長崎と東京を毎週、往復されているのでしょうか。

 月曜の夜に長崎から移動し、火、水は東京で指導、そしてまた長崎に帰って長崎の子どもたちを教えています。合間に全国での講演などもあります。今年は365日休みなしです。 

――ご自身も選手として大会に出場し、9月18日に第55回全日本シニア・マスターズ体操競技選手権大会のマスターズ60代女子個人総合で、1位を取られました。

全日本シニア選手権60代の部で優勝した内村周子さん
全日本シニア選手権60代の部で優勝した内村周子さん

 ありがとうございます(笑)。自分の時間は朝しかないので、コーチの夫に見てもらいながら朝に走ったりしたのですが、最近は本当に練習時間が取れなくて。でも、日々子どもたちとの授業で体を動かしていますので、それが練習代わりですね。

――4月から始まった江東区の教室は、子どものみを対象としたレッスンです。どんなことをされていますか。

 3~4歳児の年少クラス、4~6歳の年中・年長クラス、小学生クラスを持っています。“周子メソッド”では、体操の技術を身に付ける前に、気力、忍耐力、非認知能力を育てることを一番大切にしています。

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平井啓子
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