動物の形をした子どもたちに大人気の薄焼きビスケット「たべっ子どうぶつ」などを製造するギンビス。お菓子の可愛らしい雰囲気とは一転、同社の宮本周治社長(49)は中学校卒業後に一人渡米し、トランプ前大統領もかつて通ったという、全寮制で規則も厳しい陸軍士官学校「NYミリタリーアカデミー」を卒業している。そのユニークな人生を聞いた。
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――高校でアメリカの軍事式学校に入学されたということですが、小さいころはどんなお子さんだったのですか。
幼いころから体が大きくて、中3で180センチメートル近くあり、体力もあって運動が好きな子どもでした。小学校は応援団長、小・中学校では運動会で騎馬戦の大将。中学3年生では、バレー部部長と文化祭実行委員長を務めました。小さいころから父(ギンビス前社長・宮本隆司氏)から各国の文化のことなどを教えてもらったり、海外の出張先から外国の絵はがきが届いたりしていたので、自然と海外に行くことに興味を持っていたように思います。
――いつごろから留学を本格的に意識したのですか。
中学2年生のときに「アメリカに留学したい」と思って、両親に伝えました。初めは「高校や大学を出てから行きなさい」と反対されていましたが、もっと早くから海外に出たほうがいいなと思っていました。どうやったら留学できるかもわからなかったし、周りに留学する人がいない時代でしたので、海外留学についての本を自分で探して読んだり、英語を習いに行ったりしました。
――数あるアメリカの高校の中から、NYミリタリーアカデミーを選ばれたことが驚きです。
父親から、「どうせ海外に行くのなら、日本にないタイプの学校に行きなさい」と言われました。情報誌を見ていたらこの学校が目に留まり、「自分は英語はそんなにできるわけではないけれど、体力や運動は自信がある。ここだったらアメリカ人とも肩を並べてやっていけるのでは」と思ったんです。
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