その「いつか」のために、正しい性の知識をたくさん知ってほしいですね。なぜなら、その知識が自分のからだと心を、大切な人のからだと心を守るからです。

 親御さんたちはご存じかもしれませんが、日本の性教育は、海外に比べてまだまだ消極的でした。しかし、ここ最近は「性教育の波」がきていることを感じています。「正しい性の知識こそ、子ども自身の身を守ることにつながる」という認識が広がってきて、性教育にまつわる絵本やマンガ、本もどんどん出版されています。私に声をかけてくださる学校も、どんどん増えてきました。これはとてもいい傾向!とワクワクしています。

 面と向かって話さなくても、親御さんが子どもに「こんな本があるよ」と、性の知識について書かれた本を手渡してあげるのもいいでしょう。ダメもとで「なにか困ったことがあったら言ってね」と声をかけておくことも大いに有効。思春期ですから、素っ気なくされてもそこはスルーしてあげましょう。「自分のことを考えてくれている」とわかるだけで、きっとどこかで安心できるはずです。

(構成/三宅智佳<AERA with Kids編集部>)

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三宅智佳
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