この話をしているとき、会場はシーンと静まり返っています。
「いつか赤ちゃんはほしいけれど、今ではない」と思うのなら、つまり「妊娠したい」とき以外は、妊娠をしない方法を実践する必要があるのです。それには(1)性行為を行わない (2)避妊を行う、の2択です。
でも、長い人生の中で、(2)を選択するときがくるかもしれません。それなら、(2)の知識をしっかりつけておく必要がありますよね。
「避妊にはどんな方法があるか知っていますか? 避妊をするのは誰ですか? そして、妊娠をするのは誰ですか?」こう問いかけると、子どもたちは「妊娠」や「避妊」を自分ごととして真剣に考えます。赤ちゃんができるのが「今は困る」のであれば、避妊はセットなのです。
●避妊は、パートナーへの思いやり、愛情だということ
避妊には、(1)コンドーム (2)低用量ピル (3)緊急避妊薬といった方法があります。(2)の低用量ピルは、病院で処方してもらったピルを計画的に服用することで、妊娠を回避します。(3)の緊急避妊薬は、性交後72時間以内に服用することで避妊が可能になる薬です。どれも「必ず100%避妊できる」というものではありません。
避妊は、男性も女性も、自分自身が主人公になって考えることが大切です。でも、男子校の講演の際は、「パートナーを守るために、男性が主導して避妊を行いましょう」と伝えています。パートナーのために自分ができることはなんだろう?と考えてほしいからです。
避妊を考えるときに参考になるのが、「パール指数」という指数です。これは、100人の女性が、その避妊方法を1年間続けたときに何人妊娠したかを表したものです。使用方法によっては数値に幅がありますが、この数値が低いほど避妊の効果が高いことになります。理想的な使用(その避妊法を正しく続けて使用しているにもかかわらず妊娠した場合)で比較すると、低用量ピルのパール指数は0.3、コンドームは2です(詳しくは図表を参照)
ちなみに、なにも避妊をしない場合のパール指数は「85」です。
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