テレビや映画出演のほか、舞台「赤羽焼肉劇場」で初の主演も務め、最近はバラエティー番組でも活躍する女優、田中道子さん(33)。昨年末に見事、1級建築士試験に合格したことが大きな話題となりました。合格率10%弱といわれる難関試験。仕事で忙しい日々、どのように時間をやりくりして勉強を続けたのでしょう。田中さんに聞きました。
* * *
■大好きなマンガ、ゲームを断ち、人づきあいも減らしました
1級建築士になることは、大学時代からの夢でした。でも、試験を受けるには2年以上の実務経験が必要なので、あきらめていたのです。しかし、2020年に制度が緩和され、実務経験がなくても受験はできるようになりました。そんなとき、コロナ禍で家にこもっている間に「なにか自分も社会に貢献できることはないか」と考えたのです。そして「建築がある!」と思い立ちました。やるなら今かもしれない。学生時代の夢を、あらためてまた追いかけてみよう!と一念発起したのが2021年の7月、そして10月から専門学校に通い始めたのです。
そこからは、隙あらば勉強の日々。私の確固たるポリシーとして、「本業をおろそかにしない」があります。おそらく、社会人でなにかの資格にトライする方は、皆さんこう考えるのではないでしょうか。勉強のために睡眠不足になって、体調を崩して本業に影響を与えたのでは本末転倒。「いや、今以上に本業を頑張らなくては」というくらいに思っていました。そうでないと、もし合格しても、誰も喜んでくれませんよね。
そこで、睡眠時間を確保するために、愛してやまないマンガとゲームを真っ先に断ちました。これはつらかったですね。あと、人づきあいも犠牲にしました。おかげで友達が減りました(笑)。私は実務経験がないぶん、ほかの受験者より低い位置からのスタートだと自覚していましたから、こうすることで覚悟を決めたのです。
■ごはんを作る時間があるなら、勉強にあてる
学校の宿題や提出物の量が、とにかく容赦ありませんでした。仕事も忙しくなり、とてもありがたかったのですが、これでは勉強の時間がとれなくなってしまう。そこで、食事は日高屋さん、コンビニ、デリバリーの出前館に本当にお世話になりました。出前館では、もうすべて食べつくしたのではないかと思うくらい。ごはんを作って片づける時間があるなら、勉強したかったのです。
次のページへ洋服はスティーブ・ジョブズ方式で