でも、これは勉強して「理解」することで解決するしかないのです。私は実務の経験がないぶん、ほかの受験者より知らないことも、わからないことも多かったのです。ですから、人より長い時間勉強するしか追いつくすべはない。これを自覚していたので、投げ出す寸前で踏みとどまれたのだと思います。
■頭の中でキャリーケースをイメージする
それでも、ドラマや舞台、バラエティー番組といった仕事がかなり重なった時期に、勉強を一度中断したことがあります。私は、頭の中でよくキャリーケースをイメージするんです。その中に、たとえば仕事という大きな箱を二つ入れると、あとは小さなものしか入りません。ですから、仕事の大きな箱が二つ、ドンドン!ときたら、勉強の箱を取り出すしかないのです。その隙間に必要最低限の「食事」や「睡眠」を入れる。すべて入れるとキャパオーバーになってしまいます。
勉強をしたいのはやまやまですが、本業をおろそかにして勉強をすることはできません。そこは割り切って、できることに集中しました。こういう選択も、ときには大切だと思います。
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合格後、インスタなどのDMにもたくさんメッセージをいただきました。「子育ても落ち着いたので、昔あきらめた目標をもう一度目指してみようと思います」といった声も多く、そんなふうに思っていただけて本当に嬉しいです。
今なにかの勉強を頑張っているみなさんに、私の体験談が少しでもお役に立てると幸いです。
(取材・文/三宅智佳)
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