<認知>
 それを自分がどう思うかということ。「やりたい」「役に立つ」などと思えば、人は自然と行動にうつします。また、それを自分ができそうか、できなさそうかを判断するのも「認知」です。「これならできるよ」という状態を作るのも大事。

<情動>
 いわゆる、ノリやテンションのこと。どのような状態にするとテンションを上げられるのか、把握しましょう。とくに小学生にとって、この「情動」は行動を起こすための重要なエンジンになります。

<欲求>
 続けるための、安定した心理的エネルギーのこと。子どもによって違うので、見極めが必要です。

(3)やる気アップのためにやる親の手法はいつも二つだけ

 子どもの個性は千差万別。なのに、親の働きかけはとても画一的です。子どもに何かをさせようとするときやることといえば、ほめる(アメを与える)か叱る(ムチを与える)。多くの親が、この2パターンを動機づけに使います。これだけではうまくいかないことが多いですし、仮に最初は効果があっても長続きしません。

 たとえて言うなら、水の中を自由に動きまわっているさまざまな魚に対して、それぞれの特性を考えずに、同じ釣りざお、同じエサを使って毎度同じような釣り方ばかりを繰り返し、「あ~釣れない!」とイライラしているのと同じです。

 もしうちの子はやる気がないと思うなら、親のほうからこれまでとは違う釣り方(アプローチ)を試してみたほうがいいのかもしれません。

(4)「素直じゃない」「言うことをきかない」ってホント?

 子どもは、相手のことをよく見ていて、人によって対応を変えます。さやかちゃんが合格した後、周囲の人から「彼女はもともと素直だったから受験勉強もうまくいったのでは?」とよく聞かれました。これは全く違っていて、彼女は当時反抗しまくっていて、父親や学校の先生の言うことは全く聞かない子でした。でも、さやかちゃんの言動を全く否定しなかった僕の言うことは面白がってやってくれたし、自分のことを第一に考えてくれる母親に対しても、とても素直だったんです。

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