ホームレスが公園を現住所とすることを裁判所が認めたと受け止められ、反発の声があった。国会でも取り上げられている。2008年、衆議院議員(当時)の石関貴史が西川裁判長を批判し、法務大臣にこうただした。
「今の社会通念から照らすと、どう考えても、私の感覚でも、多分、恐らく国民の皆さんに聞いてもおかしいと感じるからこのように報道もされ、今大臣も社会通念に照らせばおかしいのではないかという趣旨の御答弁をされましたけれども、この裁判長さんというのは、そのまままた裁判官を続けているんでしょう。やられているんですか、この裁判官の人。何か処分を受けるようなことではないわけですよね、裁判制度の中では。この人はまだ裁判長をやっているんですか。何をやっているんですか、この人は」(第169回国会 法務委員会 第4号 2008年3月25日)
『灘校物語』では、1970年代の天才たちの楽園が描かれている。これだけ魅力的なキャラクターが集まったのは、奇跡に近い。なお、この世代はセンター試験の前身、共通一次試験の1期生であり、当時の大学受験の様子を知るうえで、『灘校物語』は参考になる。もっとも、彼らは入試制度が変わっても動じることなく対応していた。
2021年に新しい入試制度が導入されたところで、灘の天才、秀才にすれば、取るに足らないできごとであろう。
(文/教育ジャーナリスト・小林哲夫、文中敬称略)
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