これまで割高で手が出しにくかった国産レモンも、円安が進む中ついに逆転。レモンを手にするのは生鮮市場アキダイの秋葉弘道社長(撮影/福光恵)
これまで割高で手が出しにくかった国産レモンも、円安が進む中ついに逆転。レモンを手にするのは生鮮市場アキダイの秋葉弘道社長(撮影/福光恵)

 円安が進む中、これまで割高だった国産品と輸入品の価格が拮抗し、中には逆転しているものもある。この機会に国産品、試してみませんか。AERA2022年11月21日号の記事を紹介する。

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 最近、犬のおやつを変えた。

 毎日食べているドッグフードは小麦粉をふんだんに使っているため、1袋3千円が3400円に。せめておやつは安いものをと探した結果、米でできた安価な犬用おせんべいを発見した。

 さっそく箱買いしたが、考えることはみんな同じで、近所の犬友からもらうおやつも、ジャーキーやクッキーに代わっておせんべいが目立つように。食べ飽きたのか、おせんべいをもらうといったんは口に入れるうちの犬も、すぐにペッペと吐き出し、高級品となったクッキーやジャーキーをおねだりするようになってしまった。

 一方、人の世界では国産品は高級品。ペッペどころか、買いたくても高くて買えなかった高嶺の花がほとんどだ。ところが今や、輸入品と国産品の価格が、拮抗(きっこう)、または逆転して、国産のほうが安くなったものも。

■国産野菜に切り替え

 これまで手の出なかった国産野菜などに、さっそく切り替える人も増えているらしい。……というわけで、食品の物価動向といえば、この方。生鮮市場アキダイ関町本店(東京都練馬区)で秋葉弘道社長に聞いてみた。

 ちょっと脱線するが、アキダイの店先は、社長が毎日のように出演している情報番組で見たまんま。平日でもお客さんがいっぱいで、それはそれは活気づいている。11月初旬、その店内で、輸入と国産の価格差がなくなりつつあるもの、すでに国産品の方が安くなっている商品を教えてもらった。

 まずよく言われている肉類だ。

「例えば牛肉の切り落としです。アメリカ産は牛肩だけの切り落とし、国産は部位やランクをさまざまミックスした切り落としなので、まったく同じ物の比較とは言えませんが……」

 と秋葉社長が断って見せてくれたのは、群馬県産国産牛切り落とし(100g179円)とアメリカ産牛肩切り落とし(100g198円)の二つのパック。なんと、100g20円近くも国産の方が安くなっている。

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