8月2日、日本記者クラブで第7波対策などについて発表する尾身茂・政府分科会長(中央)ら
8月2日、日本記者クラブで第7波対策などについて発表する尾身茂・政府分科会長(中央)ら

 国内では依然として第7波が猛威をふるっている。発症時の対応や療養解除後の体調などさまざまな疑問に対し、医師が回答した。AERA2022年9月5日号から。

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Q:療養解除後も咳が続いています。息苦しく、夜も熟睡できません。

A:症状続く場合は医療機関へ

 東京都在住の50代女性は新型コロナウイルスに罹患し、軽症だった。だが、療養解除から1カ月近く経った今も咳がひどく、熟睡できないという。

「気管支が過敏になり、少しの刺激に反応して狭くなる咳喘息(せきぜんそく)に移行している可能性もあります。医療機関の受診をおすすめします。数日程度なら市販の咳止めでいいですが、長く続くなら咳喘息の治療に使う吸入ステロイドを処方します」(大谷院長)

 新型コロナを周囲にうつす心配はない。

Q:抗原検査キットは購入しておくべき?

A:買うなら医療用。過信は禁物

 まず、抗原検査キットには、「体外診断用医薬品」と「研究用」の2種類がある。前者は国が臨床的有効性を認めたもので、後者はそうではない。従来から、ネットなどで簡単に手に入れられるものが後者だ。両者には精度の基準に差があると考えたほうがよく、症状が出たり濃厚接触者になったりしたときに備えて購入するなら一定の基準をクリアした体外診断用が望ましい。

 体外診断用医薬品は厚労省のホームページにある「取扱薬局リスト」に掲載の薬局で購入可能だったが、近くネットでも購入できるようになる見通しだ。

 ただし、前述のとおり、抗原検査の過信は禁物。疑わしいときに抗原検査で調べ、「陽性」が出れば感染したとみなしてそれに準じた行動。陰性の場合はPCR検査を受けるのが望ましい。

Q:家族が発症、隔離生活をしていました。自宅療養が解除される前日に自分が発症。今度は家族が濃厚接触者になるのですか?

A:症状が軽快していれば予定通り療養解除

 50代男性は3人家族で、8月14日に妻と娘が発症。居住スペースを分けて生活した。妻と娘の症状は軽快、だが、療養最終日(24日)の前日、男性が発症した。

「コロナに感染していた妻と娘は、しばらく再感染はほぼないと考えていい。通常、濃厚接触者となると決められた待機期間がありますが、妻と娘はそれに該当せず、予定通り25日から療養解除となります」(米山院長)

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