ネルソン・マンデラ国際デーで国連総会に参加するヘンリー王子とメーガンさん(写真・ロイター/アフロ)
ネルソン・マンデラ国際デーで国連総会に参加するヘンリー王子とメーガンさん(写真・ロイター/アフロ)

 イギリスの伝記作家、トム・バウワーさん(75)の暴露本『Revenge:Meghan, Harry, and the war between the Windsors(復讐:メーガン、ハリー、そしてウィンザー家の戦争)』には、新証言に基づく驚くべき事実が明かされている。その中には、メーガンさん(41)の推進する男女平等の原点が大きく揺らぎそうな箇所がある。

【写真】ブーイングを浴びせられたヘンリー王子とメーガンさん

 メーガンさんは11歳の時に、アメリカの消費財メーカー、P&G(プロクター・アンド・ギャンブル)の洗剤のコマーシャルに憤る。小学校の授業で見たテレビCMでは、台所で鍋などの油汚れと戦うのは「女性」であるとする。同級生の男子も、「女性にふさわしい居場所はキッチンだ」と言い放った。帰宅したメーガンさんは父トーマス・マークルさん(78)に訴えた。彼は「手紙を書いたら」と答えている。

 メーガンさんは早速P&Gに、CMは女性を台所に縛り付けるものであると抗議の手紙を出した。また当時のファーストレディー、ヒラリー・クリントン夫人などにも同様の手紙を送った。すると、P&Gは、CM中の「女性」を「人々」に変更した。また、ヒラリー夫人などからも励ましの手紙をもらった。まもなく、テレビ局から記者が訪れインタビューされた。メーガンさんは、こうした小学生時代の「成功体験」を2015年の「国連WOMEN」でのスピーチで披露した。「私は11歳で、男女平等のために立ち上がり、小さいながらもインパクトを与えたのです」と胸を張った。

 その後メーガンさんにヘンリー王子(37)と交際のうわさがたった2017年、アメリカのバニティ・フェア誌が彼女にインタビューをした。メーガンさんは張り切って、P&Gの反応とヒラリー夫人からの返事について話した。しかし、同誌は、このくだりをすべて削除した。それは、「事実確認が出来なかったから」。同誌はファクトチェッカーや広告専門歴史家などに検証を依頼したが、裏付けが取れなかったという。

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多賀幹子

多賀幹子

お茶の水女子大学文教育学部卒業。東京都生まれ。企業広報誌の編集長を経てジャーナリストに。女性、教育、王室などをテーマに取材。執筆活動のほか、テレビ出演、講演活動などを行う。著書に『英国女王が伝授する70歳からの品格』『親たちの暴走』など

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父が明かした“新事実”