「リモート終活」CHECK&DO リスト41。リストの編集協力:三井住友信託銀行(AERA2月28日号から)
「リモート終活」CHECK&DO リスト41。リストの編集協力:三井住友信託銀行(AERA2月28日号から)

 丸2年が経つコロナ禍で、人との接点が減ることに慣れてしまった。それは自分の親も例外ではないかもしれない。親が亡くなると、相続や死後事務などの手続きは膨大だ。AERA2022年2月28日号では、リモート終活について取材した。

【「リモート終活」41の心得…リストの続きはこちら!】

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 親の他界は予想だにしない事態を引き起こすこともある。だからこそ、親の終活を一緒に支援しておきたい。

 じつは離れた場所で暮らしていても、親の終活を遠隔でサポートすることは可能だ。名付けて「リモート終活」。親と子どもで協力しながら、遠隔でも今すぐ始めたい、確認しておきたいことを41のリストにしてまとめた。

「リモート終活」CHECK&DO リスト41。リストの編集協力:三井住友信託銀行(AERA2月28日号から)。パスワードに関しては親が元気なうちは聞かない。心配であればノートなどにメモを残してもらう。特に銀行や証券会社では本人以外の人間がログインして取引等を行うことは禁止されているため、子であってもパスワードは共有しないのが原則。
「リモート終活」CHECK&DO リスト41。リストの編集協力:三井住友信託銀行(AERA2月28日号から)。パスワードに関しては親が元気なうちは聞かない。心配であればノートなどにメモを残してもらう。特に銀行や証券会社では本人以外の人間がログインして取引等を行うことは禁止されているため、子であってもパスワードは共有しないのが原則。

 どれも「遺言書作成」や「生前贈与」など本格的な作業に入る前段階の内容だ。これらをはっきりさせておくだけで、あなたの将来の負担は軽くなる。コロナ禍で会えないが、リモート環境下でもチェックしておきたい項目となっている。

「さすがにこれはやってくれているでしょ」と過信しないことが大切だ。あなたの親が几帳面でも、実はたいした終活はしていないと思ったほうがいい。

「出生地」がわからない

 こんなケースもあった。

「夫の母が異物を喉に詰まらせて他界し、相続の手続きのために戸籍謄本が必要になりました。ところが、義母は過去に本籍を何度か移していたうえ、その詳細を義父も把握しておらず、出生地が不明だったのです。東北のどこか……というだけ。役所に問い合わせてもなかなか辿り着けず、費用を払って司法書士に調べてもらいました」

 神奈川県在住の48歳女性が突然の義母の死を、そう振り返る。

 最低限、親の正確な出生地は存命中にきちんと確認しておきたい。ちなみに、この女性の場合、戸籍がすべて揃ったところで驚愕の事実が発覚した。

「義母は離婚歴があったことを隠して義父と結婚したうえ、年齢を八つサバ読みしていたのです。そのことを今さら知った義父は激怒していました」

 両親ともに健在なら、終活の際に「二次相続」のことも念頭に置くべきだ。どちらかが先立てば、やがてもう一人もその後を追い、二度の相続を経験することになる。東京都在住の50歳男性は、わずか1年のうちに父母を相次いで亡くした。

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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