杉野遥亮(すぎの・ようすけ)/1995年生まれ、俳優。主なドラマ出演作に、「直ちゃんは小学三年生」「東京怪奇酒」「僕の姉ちゃん」など(撮影/蜷川実花、hair & make up/後藤 泰、styling/Lim Lean Lee、costume/DIOR)
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 10月放送開始のドラマ「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」で、”ヤンキー君”を演じる、杉野遥亮。映画やドラマ、話題作への出演が続くが、コロナ禍で大きく変わったことがあるという。AERA 2021年10月18日号から。

【写真】蜷川実花が撮った!AERA表紙を美しく飾る杉野遥亮

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――「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」は、弱視で盲学校に通う勝ち気なヒロイン赤座ユキコ(杉咲花)と、短気で喧嘩(けんか)っ早いけどピュアな不良少年、黒川森生(杉野遥亮)が、不器用ながら相互理解を深め、惹かれ合うラブコメディーだ。

 原作漫画を読んだら、コメディーでありつつ、人と人がつながるための大切な本質が詰まっている作品でした。恋愛ドラマにはいろいろな「キュンキュン」がありますが、この二人の場合、純粋さや、人としての成長に胸を打たれるような「キュンキュン」。それをドラマでどう伝えていけるかが楽しみです。

 二人は真逆のようで、似ている部分も多いと思う。「普通って何だろう」と模索しながら生きていたり、でも、「自分」という軸はブレずに貫いたり。かっこいいし、すごく強い二人だなと思っています。

■最近軸ができてきた

――森生の顔には喧嘩で作った大きな傷がある。皆に恐れられる一方、ユキコには真っすぐすぎるほど愛情を示す。そのギャップがとてもキュートだ。

 森生のストレートな台詞をどう自分に馴染ませられるか、今は試行錯誤しています。ヤンキー役は初めてですが、「っぽく」演じるのではなくて、ナチュラルにその世界観に「いられる」ことが大切だなと思う。森生がなぜそんな傷を作ることになったのか、背景一つ一つに想像を巡らせて、意味を積み上げていくことで、森生になっていけるんじゃないかな。僕は自分ではピュアだと思うし(笑)、割とストレートな性格なので、似ている部分はあるのかな、あったらいいなと思います。僕自身は流されたり間違ったりもしつつ、良いこと悪いことも紆余曲折ありながら、やっと最近、少し軸ができてきた感じですね。

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