──では仮に、「閣内協力」となった場合、日米安保や天皇制ではどのような立場を取りますか。
わが党から入閣した閣僚が、日米安保条約や自衛隊への対応などで政府の統一した立場に従った行動をとることは当然です。
──それにしても、2009年に民主党が野党から与党になった時、ここまで共産党は柔軟な姿勢ではなかったと思います。
私たちが変わったことは間違いありません。今までは独自の道をゆくやり方でやっていましたから。しかしそれでは、あまりにひどくなった今の政治に対応できないと考えました。
特に15年の安保法制の強行成立は、日本の政治にとって非常に大きな分水嶺(ぶんすいれい)でした。憲法9条のもとでは集団的自衛権は行使できないという憲法解釈を一夜にしてひっくり返し、自衛隊を米軍と一緒に海外で戦争できるようにするという、立憲主義の根本からの破壊でした。破壊された立憲主義を回復することは、国政一般の問題とは違う次元の問題として捉え、この年に共闘路線に舵を切ったのです。
■国民民主とも協力する
──党員からの反対は。
この間、党大会や中央委員会総会など、節々で、党の方針を話しあって決めてきました。ですから、党の確固たる路線として進めています。
──とは言え、立憲民主党は「保守」を自認しています。その保守と、「筋金入りのリベラル」の共産党とが共闘を組むのは水と油のようにも映ります。
1960年代から70年代の統一戦線は、共産党と社会党の統一戦線、革新統一戦線でした。今回は保守の方々と共産党との共闘が当たり前になっている。これは現政権がまともな保守ともよべない反動政権に堕していることを示していると思います。
──また、撤回はしましたが、国民民主党の玉木雄一郎代表は連合との政策協定に盛り込まれた「全体主義」が共産党を指すと述べるなど、国民民主党との間に溝を感じます。
国民民主党とも協力してやっていきたいと思っています。「全体主義」発言については、玉木代表は事実上撤回されましたし、先日「協力してやっていきましょう」とお電話もしました。
色々と難しい問題もありますが、大局に立った協力が大切です。菅自公政権に、これだけ多くの批判が噴き上がっているのですから。この政権を代えて、新しい政治をつくることで協力していくことが大切です。