俳優 町田啓太(撮影/植村壮駿)
俳優 町田啓太(撮影/植村壮駿)
AERA 2021年4月5日売り表紙に町田啓太さんが登場
AERA 2021年4月5日売り表紙に町田啓太さんが登場

 朝ドラに大河、深夜ドラマまで、幅広い役柄を演じている。チャレンジングに見える役柄も、共感できる点を探して掘り下げ、製作陣とつくり上げていく喜びを語った。AERA 2021年4月12日号から。

【町田啓太さんが飾ったAERAの表紙はこちら】



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——放送中のNHK大河ドラマ「青天を衝け」に土方歳三役で出演する。幼い頃からダンダラ羽織に憧れ、新選組の物語を好んで見てきた。念願の役柄のひとつだという。

町田啓太(以下、町田):子どもの頃は、当時の社会も新選組がどんな存在だったのかもあまりよくわかっていなくて、扮装(ふんそう)や出で立ちを見て、素直に「かっこいいな」と思っていました。

 新選組に関する漫画や小説、ドラマは数えきれないほど存在していて、これまでも土方はさまざまな役者さんが演じてこられました。プレッシャーを感じないと言ったら嘘になります。でも、百余年という時を経ても、ドラマや小説になるということはやはりすごいことです。これまで演じてきた方々をリスペクトしつつ、自分なりの土方像を楽しみながら全うできたらいいなと思います。

 いまの状況では、新選組ゆかりの地を実際に訪ねたりすることはできないので、自分なりに資料を調べたり、殺陣師の先生から参考になる映像などを送っていただいたりしながら、役と向き合っています。歴史なので諸説ありますし、一般的には渋沢栄一との接点はあまり知られていません。でも、「実は土方と渋沢には接点があった」と文献にも少し残っているようなので、意外なつながりも楽しんでいただけたらと思います。

■まずはやってみる

——連続テレビ小説「花子とアン」、ドラマ「女子的生活」「中学聖日記」などで、時代もテイストも異なる幅広い役を演じてきた。高校時代はパイロットを目指し、その後ダンサーを経て、俳優の道に進み、10年になる。

町田:思い返すと、いろいろな転機がありましたし、自分はウロウロしていたなとも思います(笑)。自分自身が、いろいろなことを探したかったんだろうな、と。まずはやってみて、違うと思ったら、方向転換する。行き当たりばったりの感じはありましたが、いつも自由にさせてくれた両親がいたのが、大きかったと思います。

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