■漫画の主人公になる

——現場で経験を積むにつれて、自然と「企画や制作段階から作品に携わってみたい」という思いが芽生えるようになった。そんななか、テレビ東京と「めちゃコミック」のコラボコンテスト「僕を主人公にした漫画を描いてください!それをさらにドラマ化もしちゃいます!!」という企画が届いた。

町田:僕自身、漫画が大好きで、さまざまな漫画に影響を受けてきた人生だったんです。小学生の頃は『るろうに剣心』が大好きで、「抜刀斎(ばっとうさい)になりたい」って思っていましたし。自分をもとに漫画を描いてもらえる日が来るとは、思ってもいませんでした。普段は逆で、漫画が原作で、その登場人物を演じることがほとんどなので、「こんなことがあるのか!」と。

 長期のプロジェクトになるので、作者の負担も大きいと思いますが、試行錯誤をしながら、そうしたもがきや苦しみも楽しみながら、一緒につくっていけたらいいなと思っています。まだ動き始めたばかりの企画ですが、「誰からも応募がこなかったらどうしよう」という不安もあったので、まずは応募してくださった方がいてよかった、というのが正直な気持ちです(笑)。

 仕事をするなかで、共演者やスタッフの方をはじめ、先輩方に声をかけてもらったり、助けてもらったりしてうれしかったことがたくさんあるんです。同年代や年下のスタッフが増えたいま、自分もそんな存在になっていけたら、と思っています。

(ライター・古谷ゆう子)

AERA 2021年4月12日号