現在も将来も不透明なこの時代、小学校や保育園、幼稚園も通常通りとはいかないなかで、子育てなどに悩み、イライラする機会は格段に増えているはず。そんなときこそ、「まずは母親の心が安定することが何よりも大切」と花まる学習会代表の高濱正伸先生はいいます。家族の枠を超えて共感し、支え合える仲間がいれば、気持ちも楽になれます。「AERA with Kids秋号」(朝日新聞出版)では、高濱先生に「母親同士のつながり」の大切さをうかがいました。また、高濱先生も絶賛するオンラインのママコミュニティー「母親アップデートコミュニティ(HUC)」の鈴木奈津美さんにコミュニティーの立ち上げから、うまくやっていくためのコツまでをうかがいました。

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(高濱正伸先生の話)
 子育てについて話し合い、支え合うのがいつも夫婦である必要はありません。地域の助け合いの土壌が生きていた一昔前とは違って、今は核家族化が進み、どうしても母親が孤立した子育てをしてしまいがちです。誰にも相談できない孤独な育児は、母親を追い詰め、結果、子どもを追い詰めることになりかねません。

 子育てに必要なのは、ただ話を聞いてくれて、共感してくれる人。育児の先輩が体験を語ってくれたり、困った時に助けてくれたりすればなおいいですね。

 パートナーが頼りにならなかったり、シングルで子育てをしていたりするならなおさら、家の中に閉じこもらず、外の世界に目を向け、足を踏み出してみてください。

 母親自身が「安心できる場所を持つこと」「多様な世界とつながりを持つこと」が、結果的には、子育てにとっても、子どもの成長にとってもいいはずです。

 今はインターネット上でも、有益な情報交換ができるコミュニティーやサークルも多く見られます。自分の価値観と共通するものがあるかどうか、深いところで共感し合えるかどうかを基準に、良い影響を与え合えるコミュニティーを見つけてみてください。

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玉居子泰子
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