「携帯値下げおじさん」菅首相のジレンマ 圧力過剰なら「デジタル化」に支障の恐れ (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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「携帯値下げおじさん」菅首相のジレンマ 圧力過剰なら「デジタル化」に支障の恐れ

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平土令AERA
不妊治療への保険適用、携帯料金の値下げ、デジタル化という目玉政策を掲げる菅首相。「仕事人」ぶりを発揮できるか (c)朝日新聞社

不妊治療への保険適用、携帯料金の値下げ、デジタル化という目玉政策を掲げる菅首相。「仕事人」ぶりを発揮できるか (c)朝日新聞社

大手各社が激しい販売競争を繰り広げてきたiPhone。総務省が端末とのセット割引を規制したことで利用者の負担はむしろ増えた面も (c)朝日新聞社

大手各社が激しい販売競争を繰り広げてきたiPhone。総務省が端末とのセット割引を規制したことで利用者の負担はむしろ増えた面も (c)朝日新聞社

 携帯電話料金の値下げは、菅義偉首相の総務大臣時代からの肝入り政策。寡占状況の業界の競争促進という劇薬には副作用もともなう。AERA 2020年10月5日号で掲載された記事を紹介。

【大手各社が激しい販売競争を繰り広げてきたiPhone】

*  *  *
「令和おじさん」どころか「携帯値下げおじさん」と言えるほど、携帯電話料金の値下げに執念を燃やしてきたのが菅義偉首相だ。「首相がわざわざ言及すべきことか?」「総選挙前の人気取りだ」など批判の声もあるが、菅氏の意をくんだ武田良太総務相は「1割(の値下げ)では改革にならない」と強調するなど鼻息は荒い。

 携帯電話会社はあくまで民間企業であり、値下げは各社が実行することだ。本来なら、政府は各社が値下げしたくなるように、市場の競争を活性化させる政策を打ち出すことしかできないはずだが、携帯電話大手からは「確実な値下げのために料金を政府の認可制に戻すのでは」との不安も聞かれる。

 政府関係者は認可制についてはきっぱり否定したが、世界的にも高い大容量プランを主なターゲットと明かした上で「手段はまだまだある」とほくそ笑む。

■コロナ禍でも高利益率

「国民の財産である公共の電波を提供されているにもかかわらず、上位3社は市場の約9割の寡占状況を維持し、世界でも高い料金で20%もの営業利益をあげている」

 菅氏は9月2日の自民党総裁選出馬会見で携帯電話市場の問題点について言及。首相就任後も携帯値下げに向けた改革を進める考えを強調した。菅氏が指摘したように、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの3社は、4~6月期に新型コロナウイルスの影響で多くの企業が減収減益となる中で20%以上の営業利益率を確保した。総務省の調査では、特に20GBの大容量プランが、世界で最も高価な水準となっている。

 菅氏の方針を受けて武田総務相も値下げを「100%やる」と断言した上で、「健全な市場競争が行われる環境を作る」と話した。

 では、どのような方法で値下げを実現するのか。総務省関係者への取材で見えてきた施策の大きな方向性は、従来と変わらない。格安スマホを提供するMVNOを含めた携帯会社間の乗り換えを活発化させ、利用者を引き留めるためより安価な料金を設定させようという流れだ。


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