それは「どこかで帳尻があうようにできている」という僕の占師としての感覚でもあります。5回中5回当たりを引いて幸せを手に入れちゃうと、実は崩壊が早い。1回ぐらいハズレくじを引いておく必要がある気がするんですよね。仕事でも、これは明らかにハズレくじなんだけど、これをやると自分にとっての新しい扉が開くかもしれない、ということがあります。
10代を空費してしまった、というハズレくじと付き合っていけば、いつの間にか自分の限界を超えて、とても面白いことになると思います。
昔の人は、新品の服を買ったときはあえてどこか汚しておいたそうです。日光東照宮の「逆さ柱」も、あえて未完成の状態にしておき魔よけの意味を持たせた。「あえて完璧にしない」というのは昔から思想としてあるんですね。
やぎ座はプライドが高くて、間違ったこと、外れたことをやってしまった時に傷つきがち。でも、外れている部分こそが個性であり、才能として伸ばせる部分なんです。
しいたけ./占師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「VOGUE GIRL」での連載「WEEKLY! しいたけ占い」でも人気
※AERA 2020年8月31日号