「解決策は政官財界の女性増加」? 教育ジャーナリストが教える、女子学生戦いの歴史 (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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「解決策は政官財界の女性増加」? 教育ジャーナリストが教える、女子学生戦いの歴史

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矢内裕子AERA#読書
小林哲夫(こばやし・てつお)/1960年、神奈川県生まれ。教育ジャーナリスト。教育、社会問題について執筆。『神童は大人になってどうなったのか』『高校紛争1969-1970』『ニッポンの大学』など著書多数(撮影/写真部・加藤夏子)

小林哲夫(こばやし・てつお)/1960年、神奈川県生まれ。教育ジャーナリスト。教育、社会問題について執筆。『神童は大人になってどうなったのか』『高校紛争1969-1970』『ニッポンの大学』など著書多数(撮影/写真部・加藤夏子)

 AERAで連載中の「この人この本」では、いま読んでおくべき一冊を取り上げ、そこに込めた思いや舞台裏を著者にインタビュー。「書店員さんオススメの一冊」では、売り場を預かる各書店の担当者がイチオシの作品を挙げています。

『女子学生はどう闘ってきたのか』では、「女子学生亡国論」から50年、女子学生はどのように見られ、扱われてきたのか? 女子学生の戦後を歴史、学生運動、社会運動、ミスコン、就活などテーマごとに検証する。著者の小林哲夫さんに、同著に込めた思いを聞いた。

*  *  *
<いま、世界中で女子学生は怒っている。/あまりにも理不尽なことが多すぎるからだ>と、小林哲夫さん(60)は書く。

 確かに、国内だけでも「ヤレる女子大学生」特集を組んだ週刊誌に異議を唱えた国際基督教大学の女子学生や、医学部の女子入学制限に反対した筑波大学の女子医学生などが思い出される。

「戦後の女子学生は酷い扱いを受け続けてきました。差別以前に、存在そのものが軽んじられてきた」

 たとえば1960年代前半、女子の大学進学率が上がってきた時期に早稲田大学教授だった暉峻康隆(てるおかやすたか)によって「女子学生亡国論」が喧伝(けんでん)されると、他大学の一部の教授たちもその見方を広げた。

「『女子学生亡国論』には、現在にまでつながる女子学生への差別、蔑視、抑圧の源流というべきものが詰まっています。彼女たちを取り巻く状況がどのようなものだったのか、就職や風俗、事件などをつなげていくと、なにか通じるものが見えてくるのではないかと思ったんです」

 ところで本書では「女子大生」ではなく「女子学生」と表記されている。「男子大生」とは呼ばないように、「女子大生」という言葉には、女子を軽く捉え、消費しようという風潮を感じるからだ。

「80年代になるとフジテレビの『オールナイトフジ』が始まり、『女子大生ブーム』が起こりました。ブームの中で女子学生たちはキャリアや自分なりの生き方を追い求めた。そのこともまた、闘いではなかったか、と思います」


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