「無責任な政府もさすがに気付いたんじゃないでしょうか。4月には人類最大の危機のように大騒ぎしていましたが、ワクチンがない中で今後、これを何回繰り返すんだ、と。よく考えたら、出し続けたら破綻するよねっていう話になったのでしょう」

 小幡さんは、必要な支援はするべきだがその方法は慎重に考えるべきだ、との考えだ。

「金が無限にあれば良いでしょうが、広く薄く配ってしまえば無駄になるだけで、必要なところに足りなくなってしまいます。金だけもらって廃業するというケースなど、まさにそうでしょう。全員成長しなくていいからみんなで仲良く非効率にやって、経済的に破綻してもいいのならそれでもいいですが」

 コロナ対応をめぐっては、政府の対応の混乱は常に指摘されてきた。届かない“アベノマスク”に、最終的には国民に一律10万円となった給付金。注目の「GoToトラベル」もそうかもしれない。ただ、小幡さんはその混乱は政府だけの責任ではないとも指摘する。

「特に日本の政治は八方美人で愛嬌を振りまき、トップダウンもリーダーシップもありません。国民が望んでいることをしているだけです。政治がだらしないのは、国民の意見がだらしないことが原因です。政治が振り回されているだけでしょう」

 そして、コロナの第2波がやって来そうな今秋以降、「今度こそヤバい」と小幡さんが指摘するのは、国の財政破綻の危機だ。コロナの流行で医療破綻が起き、救済のための資金が必要になり、財政破綻の大パニックを迎える。これが小幡さんの予想するシナリオだ。

「日本が滅びるとすれば、感染症ではなく財政危機が原因でしょう。政府が倒産するだけなので、日本が焼け野原になったり、日本経済が破産したりするわけではありません。本当に必要なものだけを残して、最小限の社会保障で生きていく。政治の大盤振る舞いができなくなる。それだけのことです」

(編集部・小田健司)

AERA 2020年7月27日号