再生医療で犬のヘルニア克服へ 脂肪組織で作る「DFAT」から神経細胞ができた (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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再生医療で犬のヘルニア克服へ 脂肪組織で作る「DFAT」から神経細胞ができた

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羽根田真智AERA#動物
日大の杉谷元教授ら共同研究チームはDFATから神経細胞を作ることに成功。犬の椎間板ヘルニアや神経損傷を解決する可能性がある(写真:getty images)

日大の杉谷元教授ら共同研究チームはDFATから神経細胞を作ることに成功。犬の椎間板ヘルニアや神経損傷を解決する可能性がある(写真:getty images)

AERA 2020年7月13日号より

AERA 2020年7月13日号より

 損傷した犬の中枢神経を、脱分化脂肪細胞「DFAT」から再生できる──。日本大学の杉谷博士元教授ら共同研究チームが神経細胞を作ることに成功した。AERA 2020年7月13日号から。

【脱分化脂肪細胞「DFAT」から神経細胞を作ることができる】

*  *  *
 もし、ラブちゃんが二度と走れなくなっていたら──。

 大阪府在住の女性(40)は、想像するだけで胸が締め付けられるような気持ちになる。

 昨年、愛犬のダックスフント(当時4歳)が急に抱っこを嫌がるようになり、歩く時には後ろの脚がふらつくようになった。獣医師にかかったところ、診断は椎間板ヘルニアだった。幸いにして初期で、薬を飲んで安静に過ごすと、半年経つ頃には以前と同じように走り回れるようになった。

 人間の病気でも馴染みの深い椎間板ヘルニアは、動物の場合は犬に多く、ダックスフントやビーグルなど胴長短足の犬種に発症率が高い病気だ。

 背骨でクッションのような役割を果たしている「椎間板」が飛び出してしまい、神経を圧迫する。脚に麻痺が起こり、歩行が困難になったり、排泄のコントロールができなくなったりすることもある。ダックスフントなどは遺伝的要因もあり、突然発症することも多いという。

 女性の愛犬のように投薬治療でよくなることもあるが、手術が必要になる場合も少なくない。それでも回復が望めなければ、車いすを検討するほかない。愛犬にとっても、自由に走り回る愛犬の姿を見てきた飼い主にとっても、つらいことだ。

 だが、今後、この病気の予後が大きく変わるかもしれない。

 日本大学生物資源科学部獣医学科の杉谷博士元教授(現日本どうぶつ先進医療研究所所長)や中野令研究員らの共同研究チームが、犬の神経細胞を作ることに成功したのだ。

 神経を損傷し、動けなくなった動物を救いたい。そのためには、損傷した中枢神経を再生できないか。

 そう考えた中野さんが研究に着手したのは、2012年頃のことだ。

 一般的に、中枢の神経細胞は再生しない。だが、中野さんらは、「脱分化脂肪細胞(DFAT(ディーファット))」にレチノイン酸という物質を加えて長期間培養することにより、神経細胞を体外で作ることができることを突き止めた。


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