AO・推薦入試ではこれまでの活動の中から何を得て、大学での学びにどうつなげたいかが問われる。柳井勇人さん(右から2人目)は映画を制作した(写真:本人提供))
AO・推薦入試ではこれまでの活動の中から何を得て、大学での学びにどうつなげたいかが問われる。柳井勇人さん(右から2人目)は映画を制作した(写真:本人提供))

 AO・推薦入試で難関大合格をつかんだ4人に、AERA 2020年5月25日号で2021年度の受験者のためにアドバイスを語ってもらった。

【画像】AOで難関大を突破した学生はこちら!

●座談会参加者
女子学生(18)慶應義塾大学 法学部1年(筑波大学附属高校)
倉橋優亜さん(19)早稲田大学 政治経済学部1年(東京都立西高校)
菅晴紀さん(19)東京外国語大学 国際社会学部2年(立教新座高校)
柳井勇人さん(19)筑波大学知識情報・ 図書館学類1年(岡山県立高粱高校)

*  *  *

──専門塾には行きましたか。

慶應女子:高2の留学前にAO専門塾に入りました。留学中はフランスでしか経験できないことに集中し、本格的に通ったのは高3の夏からです。FIT入試では「なぜ慶應法でないとダメなのか」を問われるので、慶應法の学生にメンターについてもらいました。どういう教授の下で、どんな授業を受けているのかを詳しく聞けたのが良かったです。

菅晴紀(はるき):受験と関係なく骨太な英語力をつけたかったので、専門塾に高2の冬に入りました。AO・推薦対策では、ジェンダーや多文化共生モデルなど社会課題について討論したり小論文を書いたりする授業を受けました。

倉橋優亜(ゆあ):留学前に母とAO専門塾をほぼ全て見に行きました。自分の感覚と合うところを見つけるのに苦労しましたが、その中で本気で寄り添ってくれると感じた塾を選びました。

 出願書類を推敲する際、実社会で活躍するプロフェッショナルな人、私の場合は弁護士が対話相手になってくれ、論理が飛躍している点などを指摘してもらえて勉強になりました。

柳井勇人(ゆうと):地元の岡山にAO専門塾はなく、普通の予備校に通いました。一般入試向けの勉強をしつつ、授業の前後に先生のアポを取り、自己推薦書の添削や面接の練習をしてもらいました。

 高3の時に地元の岡山が平成30年7月豪雨の被害を受け、自治体の情報発信の課題を実感したことや、復興ボランティアの経験から得たことも書きました。被災経験から将来は公務員として、ITの力で地元に貢献したいという夢もあったので、市役所のIT推進課にアポを取って、現状の問題点などを聞きにも行きました。

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