今が旬のホタルイカを柚子しょうゆ漬けにしたお寿司
今が旬のホタルイカを柚子しょうゆ漬けにしたお寿司

 皆さんは、光る生き物と言ったら何を思い浮かべますか。

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 蛍? チョウチンアンコウ? そして忘れてはいけないのが、今が旬のホタルイカですよね。筆者はテレビでしか見たことはありませんが、暗い海に無数の青白い光が舞い泳ぐ様は、とても神秘的で幻想的で、ぜひ一度はこの目で見てみたいと思っています。

 ホタルイカは、昼間は水深200~600メートル程度の比較的深いところに生息していますが、夜になると餌を追って海面近くにまで浮上してきます。

 ホタルイカの発光体は、目の周りと2本の触手の先、そして胴体の腹側の3カ所にあります。触手の光は非常に明るく、敵に襲われたときに目くらましやおとりの役割を、腹側の光は比較的弱く、下から見上げた時に海面の明るさに溶け込んで、敵に見つかりにくくするためと言われています。目の周りの発光体の役割については、まだよくわかっていないようです。

 春に生まれたホタルイカは、翌年の春に産卵を終えると寿命を終えます。オスは受精を終えると死んでしまい、メスだけが沿岸部に寄ってきて産卵を行います。つまり、捕獲されて我々が食べているのは、ほぼすべてメスということになりますね。

 ホタルイカの食べ方は、お寿司の他にはボイルして酢味噌和えなどがポピュラーですが、筆者の一番のお気に入りは「丸干し」です(回転寿司の会社に勤めているのにまずいですね……)。内臓の苦みが絶妙なアクセントとなって、何ともいえない味わいなんです。これがあれば日本酒がいくらでも飲めてしまいます。

 実はこのホタルイカ、分類が非常にややこしいんです。正式な分類は、「ツツイカ目ホタルイカモドキ科ホタルイカ属」となっています。

「えっ、ホタルイカの上位にホタルイカモドキがあるっておかしくない?」と思いますよね。でも、これで合ってるんです。

 ホタルイカは元々富山では「マツイカ」と呼ばれていましたが、1905年に蛍のように光るということで「ホタルイカ」と正式に名付けられました。その後1914年にホタルイカによく似たイカが発見され、それが「ホタルイカモドキ」と名付けられたんです。

 ここまではよくある話ですが、ここからがややこしいんです。

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岡本浩之

岡本浩之

おかもと・ひろゆき/1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2021年1月から取締役 広報宣伝IR本部 本部長。

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「モドキ」が分類で上位になった理由とは?