新型コロナウイルスの影響で、大きく変化を迫られている学びの現場。学校では、家庭ではどんな対応をしているのか、AERA with Kids編集部が継続的にリポートしていきます。1回目は、ニューヨークの郊外、ウエストチェスター郡ハリソン市にお住まいの横田悠子さん。10歳の男の子と7歳の女の子の母親です。現地の公立小の様子を教えていただきました。

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 日に日に感染者数が増えるニューヨーク。

 州知事からは毎日緊迫感のあるメッセージが送られ、生活に必要不可欠な機能に従事する人以外の全労働者は在宅勤務になっています。外出は緊急ではない限り、(同居していない)家族や友人と会うのはどのような規模であっても控える、屋外の散歩や自然の中で運動はOKですが、基本的には単独行動で。スーパーも10人までの入店制限をしていて、それ以外の人は、外で6フィート(1.8メートル)の間隔をあけて並び、入場を待つなど、日常の行動も徹底して制限されています。公園の遊具も閉鎖されています。

 わが家でも、子どもたちは休校、夫は在宅勤務になって3週間がたとうとしています。とはいえ、郊外暮らしなので、よく報道される都会のマンハッタンよりは人と距離がとりやすく、おかげさまで皆、元気に過ごしています。

 この数週間で何よりも驚いたのが、休校が決まってからの学校のIT駆使のすごさです。休校2日目からe-learningスタート。必要な人にはポケットwifi、iPad、PCが貸し出され、我が家ではiPad 2台を借りました。教育委員会には技術サポートが受けられるヘルプデスクのようなものができていました。

 通常のカリキュラムを遅らせないよう、工夫された課題が毎日送られてきて、音楽、体育や美術、オーケストラ、コンピューターの課題まであります。

 動画もフル活用しています。

 スピーキングの宿題には、MicrosoftのFlipgridというアプリを使って、生徒がアップした動画を先生が見て、フィードバックしてもらいます。動画は、下の娘は子供が話しているところを私がiPhoneで撮影し、アプリに動画をアップします。 息子は自分で録画ボタンを押しながらPCカメラの前で話し、動画をアップしています。

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AERA編集部
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NEXTニューヨークの学校が早期対応できた理由
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