俳句を始めると人生が変わる? 長嶋有が教える「ひと味違った俳句の魅力」とは (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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俳句を始めると人生が変わる? 長嶋有が教える「ひと味違った俳句の魅力」とは

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長嶋有(ながしま・ゆう)/1972年生まれ。作家、俳人。作家として2002年『猛スピードで母は』で第126回芥川賞ほか受賞多数。「NHK俳句」19年度選者。句集に『新装版 春のお辞儀』がある(撮影/写真部・掛祥葉子)

長嶋有(ながしま・ゆう)/1972年生まれ。作家、俳人。作家として2002年『猛スピードで母は』で第126回芥川賞ほか受賞多数。「NHK俳句」19年度選者。句集に『新装版 春のお辞儀』がある(撮影/写真部・掛祥葉子)

 長嶋さんは「俳句は打球、句会が野球」だという。一人で素振りをする野球選手のように一句ずつ表現を推敲(すいこう)するのは「立派なこと」だし、どこかに投稿することもできる。

「俳句は一人でもできますが、同時に他者ともできる。句会では互いの句を披露し、批評し、語り合うことができます。野球で言えば、ヤジや乱闘、すべてが醍醐味であるように、俳句も始める前には思いもよらなかった、大きな混沌(こんとん)と豊饒(ほうじょう)さがあります」

 最後に、句会の魅力を長嶋さんに訊(き)いてみた。

「俳句には『作った人の何か』が必ず表れます。作品でだけ伝わる『その人』に出会える。それは句会でなければわからないものです」

(ライター・矢内裕子)

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*  *  *
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 ショートショート作家による、日本昔ばなしを現代風にアレンジした作品集は、普段小説を読む脳とは全く違うところを刺激するだろう。その自由極まる発想が、無限大に広がる「面白い小説」の可能性を教えてくれる。

AERA 2020年3月2日号


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