キャンサーペアレンツ代表理事 西口洋平さん(40)/大手人材会社の営業職として働いていた2015年、胆管がんと診断される。翌年、仕事と抗がん剤による治療を続けながら、「キャンサーペアレンツ」を設立(撮影/写真部・加藤夏子)
キャンサーペアレンツ代表理事 西口洋平さん(40)/大手人材会社の営業職として働いていた2015年、胆管がんと診断される。翌年、仕事と抗がん剤による治療を続けながら、「キャンサーペアレンツ」を設立(撮影/写真部・加藤夏子)
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がんになってもお金に困らないために(AERA 2020年2月10日号より)
がんになってもお金に困らないために(AERA 2020年2月10日号より)

 がんになると働けないこともある。お金に困らないために、どんな選択肢や制度があるかを把握しておくことが大切だ。AERA2020年2月10日号では、事例をもとに備えるべきことを紹介する。

【表で見る】がんになってもお金に困らないために、どんな制度がある?

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 子育て世代のがん患者のコミュニティー「キャンサーペアレンツ」代表理事の西口洋平さん(40)が4年前、「子どもを持つがん患者でつながろう」と呼びかけたのは、働く世代だけに、仕事や一家の家計を支える立場としての悩みを共有したいという思いもあった。

「ぼく自身、がんがだいぶ進行していて、痛みを抑えながら働き続けていますが、症状の重度化や治療の副作用で元のように働けなくなる場合もある。メンバーからの声で圧倒的に多いのが、仕事とお金の悩みです」

 関直行さん(42)も、そんなメンバーの一人。妻は専業主婦で、10歳と2歳の娘もいる。7年前、進行した「ステージ4a」のすい臓がんだと診断された。

 発症当時は、ビル管理会社の管理職。手術を受け、40日弱で職場に復帰した。錠剤の抗がん剤を服用しながらの勤務で、体力もない。しばらくは時短勤務が認められた。だが、人手不足で徐々に仕事量が増え、残業が続くようになった。それでも時短勤務の扱いは変わらず、給料は減額されたままだった。

「体を酷使し、長時間勤務で、おまけに幼い娘の寝顔しか見られない生活は、長く続けられないと思いました」(関さん)

 3年前、第2子が生まれるのを機に思い切って退職。1カ月の転職活動で、新たな職を得た。新しい職場にはがんであることを伝えてあり、定時で帰ることも認めてもらった。

 ただ、転職後は給料が大幅に減った。子育ては出費もかさむ。転職3カ月後、医師から再発を告げられた。副作用の強い抗がん剤治療に切り替わった。

「なぜこのタイミングに……」

 その頃、「キャンサーペアレンツ」の仲間で集まった。そこで「がん患者も『障害年金』を申請できる」と耳にした。申請方法を自分で調べ申請したが、認定まではひと苦労。

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