※写真はイメージ(撮影/写真部・張溢文)
※写真はイメージ(撮影/写真部・張溢文)
AERA 2019年12月16日号より
AERA 2019年12月16日号より

 再就職やキャリアアップために、資格取得を目指す人も多いだろう。離職した人は無料で訓練を受講できるのはもちろん、在職中の人でも費用を補助する給付金が出る。AERA 2019年12月16日号では、資格取得で「手に職」を応援する制度を紹介する。

【図を見る】条件を満たせばもらえる給付金はこちら

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 首都圏に住む女性(43)は出産で一度、会社を退職。子育てが一段落してから再雇用で働きたいと思っていた。子育て中は残業がない派遣社員として働いた。時給も2千円台と高額。自由な働き方を可能にしたのは「インテリアコーディネーター」の資格を20代で取得したことが大きい。

 短大卒業後にメーカーに就職し、3年半過ぎた後にいったん会社を辞めた。失業給付の基本手当を受けながら、ハウスメーカーへの再就職に備えて公共職業訓練を受けた。

 基本手当は、退職前の2年間、雇用保険に通算12カ月以上加入し、働く意思がある人に支給される。居住地のハローワークに職場から渡された「離職票」を持参して手続きをする。会社都合は8日目以降、自己都合の離職ではさらに3カ月後から基本手当が受け取れる。

 1日の支給額は、離職日直前の6カ月の賃金から算出。自己都合で退職すると、1年以上10年未満で90日分もらえる。井戸さんの試算によると受け取る額は、月収24万円・10年間勤務した人が自己都合で退職したケースでは約65万円となる。

 冒頭の女性のように、公共職業訓練を受講すると受講料は無料、さらに基本手当とは別に技能習得手当が受けられる。

「技能習得手当には、公共職業訓練などを受けると日額500円受け取れる受講手当と、交通費が支給される通所手当があります。また、受講のために家族と離れて暮らす場合は、月額1万700円の寄宿手当も出ます」(ファイナンシャルプランナー・井戸美枝さん)

 パートやアルバイトで雇用保険に加入していなかった人も使える求職者支援制度で、厚生労働大臣が認定する民間訓練機関での講座を無料で受けられる。テキスト代は自己負担だが、条件を満たすと職業訓練受講給付金として月10万円と通所手当、寄宿手当が支給されるなど、ハローワークの支援を受けながら再就職を目指す機会が得られる。

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