都内であった「青年との集い」で、若者から贈られた法被を着て笑顔を見せるフランシスコ教皇/11月25日午後0時56分、東京都文京区の東京カテドラル聖マリア大聖堂 (c)朝日新聞社
都内であった「青年との集い」で、若者から贈られた法被を着て笑顔を見せるフランシスコ教皇/11月25日午後0時56分、東京都文京区の東京カテドラル聖マリア大聖堂 (c)朝日新聞社

 38年ぶりに来日し、長崎を訪れたローマ教皇。ミサの会場となった長崎県営野球場「ビッグN」には多くの人が詰めかけたが、なかには平和活動に励む若者の姿もあった。AERA 2019年12月9日号の記事を紹介する。

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 会場には若者の姿もあった。長崎大学大学院修士課程1年の光岡華子さん。大雨の中、多くの参加者が寒さに耐えながら教皇の到着を待つ姿に、「歴史的な瞬間だと感じた」と話す。

 光岡さんは翌日、全国の大学生とともに「ユース・ネットワーク・フォー・ピース」という活動をスタートさせた。全国の若者の平和活動を共有し、情報を発信していく狙いで、設立構想は昨年11月に長崎で開かれた「核兵器廃絶──地球市民集会ナガサキ」で表明していた。

 学生グループが全国の高校生や大学生1200人を対象に意識調査した結果、8割が核問題に関心を寄せながら、平和活動やイベントへの参加は2割にとどまっていた。「場」を可視化し、問題意識はあっても参加のきっかけや場を見つけられない人たちと結びつけたいと考えたのだ。

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