世界最高峰のレースで優勝目指す日本の大学が、ソーラーカーの原型にワシを選んだ理由 (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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世界最高峰のレースで優勝目指す日本の大学が、ソーラーカーの原型にワシを選んだ理由

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キャプテンの尾崎大典さん(右、4年)は「メンバーが最大限に力を発揮するにはどうすればいいか、いつもそのことで頭がいっぱい」、リーダーの村田愛美さん(中央、4年)は「優勝に向けてみんなの気持ちをまとめられれば」と話す。濱根洋人監督は「優勝は夢じゃない。手ごたえはあります」と力強く言う(撮影/上浪春海)

キャプテンの尾崎大典さん(右、4年)は「メンバーが最大限に力を発揮するにはどうすればいいか、いつもそのことで頭がいっぱい」、リーダーの村田愛美さん(中央、4年)は「優勝に向けてみんなの気持ちをまとめられれば」と話す。濱根洋人監督は「優勝は夢じゃない。手ごたえはあります」と力強く言う(撮影/上浪春海)

今回参戦する「Eagle」。車体後部に載っているのが太陽電池パネル。7位に終わった前回の2017年大会の車両と比べ、約20%軽く、燃費も約20%向上した(写真:工学院大学提供)

今回参戦する「Eagle」。車体後部に載っているのが太陽電池パネル。7位に終わった前回の2017年大会の車両と比べ、約20%軽く、燃費も約20%向上した(写真:工学院大学提供)

 ソーラーカーの世界最高峰のレースに参加する工学院大学チーム。どんな技術を搭載して走るのか? 毎月話題になったニュースを子ども向けにやさしく解説してくれている、小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』10月号に掲載された記事を紹介する。

【工学院大学ソーラーチームが2年かけて開発した「Eagle」はこちら】

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 太陽光を動力源に、車体に搭載した太陽電池で発電し、走るソーラーカー。その性能を競い合う世界最高峰のレース「2019ブリヂストンワールドソーラーチャレンジ」が、10月13日からにオーストラリアで開催される。2年ごとに行われ、今回は24カ国から大学など53チームが参加。日本からも4チームが出場する。その一つが、八王子キャンパスを拠点に活動する工学院大学ソーラーチームだ。

 2009年に設立された工学院大学ソーラーチームがこのレースに参戦するのは今回で4度目。前回と同じ、速さを競う「チャレンジャークラス」に参加する。平均時速が約90キロ出せないとトップグループには入れない。このたび2年かけて開発したのが「Eagle」だ。英語でワシという意味のこの車には、日本の研究機関やメーカーがもつ最先端の技術が詰め込まれている。といっても車体の設計や製作は、大学教授やメーカーのエンジニアの指導を受けながら、学生がすべて担った。

 ソーラーカーの性能は主に(1)車体の空気抵抗、(2)太陽電池の性能、(3)車体の重さの三つで決まる。Eagleがそれらにどう対応しているか、簡単に解説しよう。

(1)自然のデザインを取り入れて空気抵抗を低減

 車が前に進むとき、車体が受ける風は、推進力のじゃまになる。これが空気抵抗だ。風が後方にきれいに流れるような形状を工夫することで、空気抵抗を減らすことができる。工学院大学ソーラーチームは設立当初から自然の形を取り入れたデザインにこだわっていて、今回の場合も、車体先頭はワシのくちばしから、全体は翼を閉じて獲物を狙う姿に着想を得ている。先がとがったなめらかな曲線は、空気抵抗をぎりぎりまで小さくするために実験を重ね、得られたデータを元に形にした。

(2)高性能の太陽電池を搭載

 Eagleの太陽電池は通常、NASAやJAXAのスタッフしか取り扱うことのできない人工衛星用のものを搭載。太陽光のエネルギーをどれだけ電気に変えられるかを表す「変換効率」は約35%で、住宅用の太陽電池のおよそ2倍。このため太陽電池パネルの面積が抑えられ、Eagleの軽量化、高燃費につながった。


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