・おくるみにくるむ


赤ちゃんの背中は「C」の姿勢が安心すると話しましたが、手は「W」、足は「M」の姿勢が安心します。寝かしつける前に、「C・W・M」の姿勢を保った状態で、おくるみやタオルケットなどでくるんで、顔が出ている状態にします。そのまま抱っこで寝かしつけ、赤ちゃんが寝たら布団におろします。おくるみでくるむことで、身体の不安定さがなくなって安心するのです。布団におろして寝入ったら、おくるみを緩めてもOKです。

・お母さん、お父さんの体ごと布団に寝かせる
布団におろす時も、コツがあります。おくるみにくるまっていたとしても、お母さんやお父さんと体が離れると不安を感じます。ですので、赤ちゃんを布団におろすまで赤ちゃんの体とお母さん、お父さんの胸をひっつけておきます。頭側とおしり側の手を引き抜いて、最後に胸を離しましょう。

 このように、赤ちゃんの持って生まれた特徴を知り、赤ちゃんに合わせるだけで、背中スイッチは発動しにくくなります。

●抱っこ以外に赤ちゃんが安心するものを探す

 寝ている赤ちゃんが泣くたびに、抱き上げて一から寝かしつけの手順を繰り返していたら、親は大変! だからこそ、抱っこ以外に赤ちゃんが安心する「何か」を普段のスキンシップの中で見つけます。赤ちゃんの体を触る時に、うっとりと幸せそうな顔をする部分があると思います。例えば、頭、手、胸、足など。赤ちゃんが泣いたら、普段気持ちよさそうにしている部分をさすってあげるのです。それだけで寝入ってくれればラクですね。ちなみにこれまで、眉間、もみあげあたり、ひじから手首、手のひらなど、それぞれの赤ちゃんによって違ったので、自分の赤ちゃんの気持ちいい部分を探しましょう。

 赤ちゃんを布団におろす時、きっと親の気持ちも「起きないかな」と不安になっているはず。その気持ちが赤ちゃんにも多少なりとも伝わっています。抱っこで赤ちゃんが寝入ったら、まずは大きく深呼吸して、リラックスしてから布団におろすのも大切です。そうしているうちに、赤ちゃんは成長し平らな布団におろしても寝てくれるようになります。抱っこしなくても布団にゴロンとして、トントンで寝てくれるようになりますよ。(文/中田 馨)

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中田馨

中田馨

なかた・かおり/1978年生まれ。兵庫県の認可保育園、中田家庭保育所施設長。一般社団法人離乳食インストラクター協会代表理事。保育士目線の離乳食講座受講生は4年で2000人。自身も中3男子、小5女子の子育て中。

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