ドラマ「凪のお暇」の劇伴を手がけるパスカルズ 作品の多くが映画や演劇で使われるワケ (1/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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ドラマ「凪のお暇」の劇伴を手がけるパスカルズ 作品の多くが映画や演劇で使われるワケ

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岡村詩野AERA#AERAオンライン限定
演奏するパスカルズのメンバーたち(パスカルズ提供)

演奏するパスカルズのメンバーたち(パスカルズ提供)

9月にリリースされる「凪のお暇」サントラ盤(パスカルズ提供)

9月にリリースされる「凪のお暇」サントラ盤(パスカルズ提供)

 パスカルズ、と聞いてピンとこなくても、現在TBS系で放送中のドラマ「凪(なぎ)のお暇(いとま)」の劇中音楽を手がけている……と言えば、「ああ、あの音楽いいね!」とイメージできる人も多いのではないだろうか。

 どこかノスタルジックな匂いをたたえ、ちょっぴりユーモラス、人間味たっぷりの音の風景。それは、空気ばかり読み自分を押し殺して生きてきた主人公が、仕事も恋人も何もかもを捨てて布団と自転車だけで都会から郊外へと引っ越しをして、そこで様々な住民とふれあいながらつかのまの休息(お暇)をとる……そんなヒューマンな物語にふさわしい。主題歌こそ違うが、劇伴と呼ばれるそうした劇中の音楽を手がけ、演奏しているのがパスカルズという大所帯グループだ。

 アコーディオン、鍵盤ハーモニカ、トイピアノ、ウクレレ、バイオリン、バンジョー、チェロ、トランペット……画面から聞こえてくる音の数は実際はとても多い。けれど、ほとんどが生楽器、それも温もりのあるタッチで奏でられているため耳に優しいし、穏やかな気持ちにもなるだろう。主人公の凪が、風を切って生き生きと自転車を漕ぐ時も、寂しい思いを抱えて部屋でこもっている時も、相手の顔色をうかがいながらイライラしている時も、これら多彩な楽器が鳴らすメロディーが寄りそう。まるで凪の心の中のちっちゃなオーケストラが気持ちを代弁しているかのように、様々な感情を丹念に音で表現する。そもそも劇伴自体、物語を音で彩る重要な役割を持っているが、とりわけこのパスカルズの作品はメロディーやフレーズが穏やかで感傷的だ。

 パスカルズはピアノやアコーディオンなどの鍵盤を演奏する作曲家、ロケット・マツを中心とする14人編成のグループ。1956年生まれのロケット・マツ自身の音楽家としてのキャリアはとても長く、レコード・デビューした時は80年代に活動していたTHE CONXというバンドの一員だった。それ以前に、フォーク・シンガーの高田渡のバックをつとめていたこともあったし、デビューしてからは忌野清志郎による覆面バンドであるタイマーズの作品でアコーディオンを弾いたこともあった。


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