初の商品化は2016年8月。「URBAN RESEARCH DOORS」と組み、紫キャベツや玉ねぎなどで染色した「OYASAI BAG」を発売した。その後、他社とも、野菜だけでなくコーヒーの出し殻やみそを活用した商品を共同開発。連携先もサラダクラブやカゴメなどの食品会社に加え、ハーブを扱う生活の木、タリーズコーヒージャパンなど15社に広がった。

「かわいい」「色合いがすてき」

 8月発売のCONVERSE(コンバース)とのコラボ商品「ALL STAR FOOD TEXTILE HI」の情報が公開されると、そんな声が上がった。色は桜の花びらで染めたピンクを含む3色。デザイン学校に通う女性(21)は言う。

「エコな商品に興味があるのですが、デザインがいまいちだったり、値段が高かったりすることが多いんです。でも、このスニーカーはおしゃれだし、値段も手ごろなので欲しい」

 食品ロスの問題に関心を持つ人は少なくない。Tシャツやスニーカーなど、生活の延長上で手軽に寄与できる取り組みが広がることに期待がかかる。

ファッション界ではサステナブルやエシカルがキーワードになっていて、海外のトップメゾンからも引き合いが来ています」

 と谷村さんは語る。「ファッション×食」で足元の暮らしを見つめ直す。小さな取り組みの大きな歩みが始まっている。

AERA 2019年8月12・19日合併増大号