「イギリスのトランプ」?  英新首相ジョンソン氏、失言繰り返しても人気者な理由とは (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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「イギリスのトランプ」?  英新首相ジョンソン氏、失言繰り返しても人気者な理由とは

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ボリス・ジョンソン氏。湿原を繰り返す反面、国民からは親しみを込めて「ボリス」と呼ばれることも多い(c)朝日新聞社

ボリス・ジョンソン氏。湿原を繰り返す反面、国民からは親しみを込めて「ボリス」と呼ばれることも多い(c)朝日新聞社

 英首相の座に着いたボリス・ジョンソン氏。失言を繰り返すことなどで「英国版トランプ」とも揶揄される同氏だが、支持される理由はどこにあるのだろうか。トランプ氏との共通点と相違点を通し、これまでの経歴を読み解いた。

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 選出の正当性への疑問は、トランプ氏にも当てはまる。16年の大統領選の得票数で対抗馬の民主党クリントン氏より約280万票少なかったにもかかわらず、得票が最も多い候補に全ての選挙人が当てられる「勝者総取り」ルールで勝利した。

 ジョンソン氏は欧州議員を務めた作家スタンリー・ジョンソン氏を父に持ち、生まれは米ニューヨーク。パブリックスクールの名門イートン校からオックスフォード大に進んだ。政界入りする前には、新聞記者や雑誌編集長を務めた。英メディアによると、保守系紙タイムズで働いたが、記事で発言をねじ曲げたとして解雇。その後、別の保守系紙デイリー・テレグラフでブリュッセル特派員となり、EUの前身組織EC批判の記事を書いた。「ポスト真実(トゥルース)」時代の政治家としてトランプ氏との共通点も見える。

 一方、本を読まないといわれるトランプ氏に対し、英宰相チャーチルの伝記(邦題『チャーチル・ファクター たった一人で歴史と世界を変える力』)など10冊以上の著書がある。演説の表現にこだわりを持つなど、知的なイメージもある。実業家としての経歴が長いトランプ氏に比べ、職業政治家としての経験が長い点も異なる。頭の回転が速く知的な政治家として、「(イスラエルのタカ派政治家)ネタニヤフ首相に似たタイプ」(イスラエル紙ハーレツ)との見立てもある。

 ジョンソン氏は、党首選では、事実に基づかない主張をしたり、質問に正面から答えず、笑顔ではぐらかしたりする場面も目立った。インタビューに応じるメディアを選んだり、一部の討論番組出演を拒んだりするなど、メディアとの関係は必ずしも良好ではないが、CNNなど一部メディアを激しく敵視するトランプ氏とは異なる面もある。党首選で対抗馬だったハント氏は、テレビ番組での討論の際、会場からジョンソン氏の優れた点を挙げるよう求められた際、皮肉まじりにこう答えた。

「ボリス(ジョンソン)の質問に答える能力には本当に感心する。あなたが質問すると彼は笑顔を返す。そうするとあなたは何を質問したのかを忘れてしまう。政治家の資質としてはすばらしいが、首相としてはいかがなものか」


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