「昭和34年のご成婚の際、テレビでパレードの様子を見ることができました。私は9歳でしたが、感動を詩に書いて、学校に持って行きました。あの頃が表現欲求の最初だった気がします。ひどい詩でしたが内容はともかく(笑)、“感情の高まりを書くのは良いことだ。その気持ちをずっと忘れないように”と先生から言われたことを覚えています」

 さて、新しい皇后さまについてはどうなのだろうか。

「まだ時機ではないと思いますが、いずれ雅子さまのことは書けたらなと思っています。でも当面は、皇室ウォッチャーに徹します」

 工藤さんは、いたずらっぽく微笑んだ。(ライター・北條一浩)

■書店員さんオススメの一冊

『ハーバード・スタンフォード流 「自分で考える力」が身につくへんな問題』は、人工知能に勝つための思考法を知るための一冊だ。八重洲ブックセンターの川原敏治さんは、同著の魅力を次のように寄せる。

*  *  *

 ますます複雑化する現代においては、みんなが同じひとつの正解を出すことよりも、自分にしか出せない、オリジナルな答えを持つことが重要になっている。本書では、オリジナルな答えを導くために必要なさまざまな思考法の例題を解きつつ、順を追ってトレーニングができる。

 本来このような思考法は、一読しただけでは頭では理解できても、すぐに身につくものではない。しかし、本書の例題には正解はないので、思考法を学びつつ、違う考え方はないか、何度も考えながら思考実験を繰り返し、身につけることができる。

 今後、人工知能の導入が本格化しそうな社会において、「正確にやる」「正解を求める」だけでは人工知能には勝てない。常識を疑い、オリジナルな考えを持つことは、今後の社会を生き抜くひとつのスキルになると思う。

AERA 2019年7月8日号