しいたけ./占師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「VOGUE GIRL」での連載「WEEKLY! しいたけ占い」でも人気
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※写真はイメージ(gettyimages)

 AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。

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Q:定年退職を2年後に控えた者です。数年前から妻に、「あなたが365日24時間、家でゴロゴロしているかと思うとゾッとする。定年後は、仕事か趣味を見つけて」と言われています。私としては、妻にこそ出歩いてもらって、自分は家にいたいのですが、男が家でゴロゴロしているのはいけないことでしょうか?(男性/教師/61歳/おひつじ座)

A:これはもう、ぜひゴロゴロしていただきたいですね。

 僕自身、学校に通っていた間、そして大人になってからも、先生にかけてもらった言葉でどれだけ救われたか。すごく感謝しています。教師って数値化されにくい職業。何人立派にしたから給料が上がるとかではない。無償で子どもたちに愛の言葉をかけ続ける。それを定年までやるって、優しいだけじゃない、すごい使命感だと思います。

「趣味を作って」と言われても、人から強制されたらやりたくないんですよね。これまでと同じような立派なこと、人に喜んでもらえることをしなきゃいけない、というプレッシャーもあるかもしれない。

 家でゴロゴロして、そのゴロゴロの延長のような場所をできれば外にも作ってみたらいかがでしょうか。

 例えば週1回、2時間、新聞を読みに行くだけの喫茶店を作ってもいいと思います。その店員さんと「こんにちは」って言う間柄になったら、そこはもうコミュニティーです。身の上話をするとかじゃなくても、自分を知っている人がこの世にいるって、結構勇気づけられます。

 おひつじ座は初動に時間がかかる人たちです。友達に「ちょっと一緒についてきてよ」って、ビビリなところもある。2周目に入ったらすごいスピードを出すんだけど、1周目はどこかぎこちなさがある人たち。新しい店に行くならまずは誰かと一緒に行って、だんだんなじみの場所にしていくのがいいと思います。

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