生活家電も同様だという。家電コーディネーターの戸井田園子さんが続ける。

「2%増税したからといって、量販店の店頭価格が単純に2%上がるわけではありません。おそらく、セールやポイント還元などで吸収されるでしょう。また、仮に値段が上がったとしても、20万円の高額商品でもその差は4千円。そのくらいなら、ほかに取り返す方法がいくらでもあります」

 では、家電の買い時はいつなのか。

「多くの家電は発売直後が価格のピークで、徐々に値段が下がり、1年後に新モデルが出るタイミングで旧モデルが底値になります。モノにもよりますが、発売当初の55%程度まで安くなるイメージです」(戸井田さん)

 いわゆる「型落ち品」と呼ばれるものだ。最新機能にこだわらないなら、新製品が出た直後に型落ち品を狙うのが最も安く買えるタイミングだという。そして、生活に根付く家電には「旬」があり、各社新製品を投入する時期がおおむね一致している。その時期に売り場へ行けば、市場に残った型落ち品に出合える可能性が高いのだ。

「たいていの家電は安いから買うものではなく、耐用年数に合わせて買い替えるものですが、市場で安くなるタイミングを覚えておけば、お得に買い替えられるでしょう」(同)

(編集部・川口 穣)

AERA 2019年7月1日号より抜粋

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川口穣

川口穣

ノンフィクションライター、AERA記者。著書『防災アプリ特務機関NERV 最強の災害情報インフラをつくったホワイトハッカーの10年』(平凡社)で第21回新潮ドキュメント賞候補。宮城県石巻市の災害公営住宅向け無料情報紙「石巻復興きずな新聞」副編集長も務める。

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