サッチャー時代に絶大な支持受けた「ザ・スミス」 映画で描かれるバンド結成前夜 (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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サッチャー時代に絶大な支持受けた「ザ・スミス」 映画で描かれるバンド結成前夜

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小柳暁子AERA
MARK GILL/英・マンチェスター生まれ。短編映画「ミスター・ヴォーマン」(2012)で、アカデミー賞短編映画賞にノミネート。本作が長編デビュー作となる(撮影/植田真紗美)

MARK GILL/英・マンチェスター生まれ。短編映画「ミスター・ヴォーマン」(2012)で、アカデミー賞短編映画賞にノミネート。本作が長編デビュー作となる(撮影/植田真紗美)

「イングランド・イズ・マイン モリッシー、はじまりの物語」/「ダンケルク」のジャック・ロウデン主演。全国公開中 (c)2017 ESSOLDO PICTURES LIMITED ALL RIGHTS RESERVED.

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「コントロール デラックス版」発売元:スタイルジャム 販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント 価格3800円+税/DVD発売中 (c)Northsee Limited 2007

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 AERAで連載中の「いま観るシネマ」では、毎週、数多く公開されている映画の中から、いま観ておくべき作品の舞台裏を監督や演者に直接インタビューして紹介。「もう1本 おすすめDVD」では、あわせて観て欲しい1本をセレクトしています。

【写真】「イングランド・イズ・マイン モリッシー、はじまりの物語」のシーンはこちら

*  *  *
「ゆりかごから墓場まで」と謳われたイギリスの社会福祉政策。その政策の舵を真逆に切ったマーガレット・サッチャー政権下の1980年代、不況に喘ぐ若者から絶大な支持を受けたバンドがあった。マンチェスターの労働者階級出身のバンド、ザ・スミスだ。本作はフロントマンのスティーヴン・モリッシーを主人公にバンド結成前夜を描く。監督のマーク・ギルもマンチェスター出身。自身もかつて音楽活動をしており、映画監督としては本作が長編デビュー作となる。

「僕ならこのストーリーは語れると思ったし、失敗したとしてもやるべきは僕だという自負がありました」

 国民保健サービスで無料で支給される黒縁メガネをかけ、グラジオラスの花を振り奇妙なダンスを踊りながら、辛辣な社会批評に彩られた歌詞を歌い上げるモリッシーは、サッチャリズムの時代のヒーローだった。

「ザ・スミスはポップバンドではあるが、それまでのポップバンドとはまったく違っていました。モリッシーの声は何百万人もの労働者階級の若者たちを代弁し、彼らの落胆、彼らの疎外感に声を与えた。そういう若者たちに一縷の希望を与える存在でした」

 そんなモリッシーのまだ「何者でもない」時代を描く本作。インタビューや歌詞、友人の日記といった資料を読み込んでリサーチをしながら、モリッシーの周辺の人物へのインタビューを重ねた。しかし脚本には監督自身の経験も多分に投影されているという。

「スティーヴンが職場で働いているシーンなどは想像して書きました。自分の経験をモリッシーというフィルターを通して映画に投影しているという感じです。僕自身も仕事中にサボって本を読んでいたんだけど、同僚の女の子に『何を読んでいるの?』じゃなくて『何で読んでいるの?』と聞かれたこともある(笑)」


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