キャンプ場は東海岸側に位置しているため、夕日は見られないが、水平線から昇る朝日が美しい(撮影/写真部・加藤夏子)
キャンプ場は東海岸側に位置しているため、夕日は見られないが、水平線から昇る朝日が美しい(撮影/写真部・加藤夏子)

 ハワイ初上陸の記者が、英国生まれのイザベラ・バードが書いた『イザベラ・バードのハワイ紀行』をヒントに始めた「裏ハワイ」を探す旅。トレッキングから始まった裏ハワイ探しで、記者が挑んだのは……。

【写真特集】知られざる「裏ハワイ」を発見する旅

*  *  *

 バードは、ハワイ島の山腹で野営した。それにならって、キャンプに挑戦することにした。

 問題はキャンプ道具だ。日本のキャンプ場のようにレンタルサービスが充実しているわけではないので、道具などは自分で用意する覚悟が必要だ。テントと寝袋、ランタン、鍋や食器は日本から持参し、椅子は滞在先のバルコニーにあった折りたたみチェアを持ち出した。

 キャンプ地はベローズフィールドビーチパーク。米軍のトレーニングエリア内にあるビーチに併設するキャンプ場で、週末だけ一般に開放される。夜8時から朝6時までは門が閉鎖するので、女子キャンプでも比較的安心感がある。テントサイトは全部で50あり、費用は30ドル。事前に予約が必要だ。

 ビーチにほど近い林間サイトで、一つの区画はかなり広く、車2~3台で乗り付けても余裕がありそう。周りを見渡せば、数家族でグループキャンプをしている人たちが多いようだ。

 女性カメラマンとふたりで、早速テントを設営する。ハワイでキャンプといえば欠かせないハンモックも。ちょうどいい間隔の2本の木があれば、どこにでも設置できる。外で寝られる季節なら、テントがない場合でもハンモック泊が可能だ。

 設営後は夕飯の準備。食材はキャンプ場に来る前に、現地のスーパーとファーマーズマーケットで買い出しした。ステーキ肉、パスタ、野菜、ソーセージ、パイナップルなど。キャンプでのアウトドアご飯といえば、その土地のもの、旬のものを食べるのが醍醐味だ。朝ごはん用に、パンケーキミックス、シロップ、コーヒー豆も用意した。

 調理に使うバーナーのヘッド部分は日本から持参したが、問題はガス缶だ。飛行機では預け入れ・持ち込みともにガス缶は禁止されている。現地調達するしかないが、これを探すのに苦労した。「OD缶」と言われ登山やキャンプでおなじみのガスカートリッジだが、ウォルマートやドン・キホーテなど数軒はしごした後に、最終的に小さなアウトドア用品店で見つけた。

次のページ