「お子さんは大丈夫?」 女性候補者への言葉は批判か、エールか? (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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「お子さんは大丈夫?」 女性候補者への言葉は批判か、エールか?

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深澤友紀AERA
立憲民主党公認で川崎市議選に立候補した鈴木朋子さん。選挙活動のスピーカーの音量は控えめ。「一方的に叫ぶようなやり方は、以前からいい印象がなくて」。悩みながらの選挙戦だ(撮影/小原雄輝)

立憲民主党公認で川崎市議選に立候補した鈴木朋子さん。選挙活動のスピーカーの音量は控えめ。「一方的に叫ぶようなやり方は、以前からいい印象がなくて」。悩みながらの選挙戦だ(撮影/小原雄輝)

八王子市議選に立候補する西室真希さん(中央)の選挙事務所では、毛筆で力強く書かれた為書きがずらりと並んだ先にカラフルなキッズスペースもあり、子どもたちの弾むような声が響く(撮影/小原雄輝)

八王子市議選に立候補する西室真希さん(中央)の選挙事務所では、毛筆で力強く書かれた為書きがずらりと並んだ先にカラフルなキッズスペースもあり、子どもたちの弾むような声が響く(撮影/小原雄輝)

統一地方選の女性候補者の擁立状況(AERA 2019年4月15日号より)

統一地方選の女性候補者の擁立状況(AERA 2019年4月15日号より)

 1歳から7歳までの4人の母の西室真希さん(37)は東京・八王子市議を目指すと決めた後、会う人会う人から「子ども、大丈夫?」「お子さんがかわいそう」と言われる。当初はそれがつらかった。周囲からは「女性が前に出ることを良く思われないのでは」と心配する声もあった。

 西室さんは夫や義父母と呉服店を経営する傍ら、5年前からキッズカフェを運営してきた。地元で開催する親子向けのイベントは2万人を動員するまでに。昨年、振り袖販売レンタル業「はれのひ」が成人式当日に突然店舗を閉鎖したときは八王子の店舗に駆け付け、泣き崩れる新成人たちを見て「この涙をどうにか笑顔にしたい」と、新たに成人式を企画、成功させた。その行動力を買われ、自民党関係者から声を掛けられた。「子どもが4人もいるのに絶対無理です」と何度も躊躇したが、夫が背中を押した。

 自身の意識を変えたのは一枚のはがき。選挙への準備を始めた頃に年上の女性から届いた。

「4人の子どもたちが犠牲にならないか心配です」

 読んだとき、自分は応援されていないんだと落ち込んだ。だが、その女性は西室さんの後援会員になり、次々に人を紹介してくれた。その時に気づいた。

「『大丈夫?』という言葉を、子どもがいて市政をしっかりやれるのかという批判と受け止めていたけど、みなさんから求められているのは、子どもも大切にしながら市政をやるということなんだ、と。リアルな子育て世代だからこそ見える景色を市政に届けたい」

 支援者も思いを理解してくれ、朝の駅頭での活動も6時半から1時間で切り上げ、家に戻って子どもを学校や保育園へ送り出す。企業訪問に子連れで行くことも。夜の会合も「寝かしつけがあるので」と最初のあいさつだけで中座する。今は「お子さん、大丈夫?」の言葉も「犠牲にしないように頑張ります」と笑顔で返せるようになった。(編集部・深澤友紀)

AERA 2019年4月15日号より抜粋


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