一方、夫のギブソンの楽器はいきなりインフレが起こって、万単位の見積額が出てきた。でも、「次に買う楽器の値段」には届かなかったり、心変わりがあったりで、売却は中止となった。

 こうして、ノーブランドゆえバイオリン2千円、布トート(小)は1500円、オシャレ家電のバルミューダの電気ケトルはほぼ未使用で2千円、超音波ウォッシャー千円で、合計6500円の商いになった。

 ま、考えてみると、どれも一般の家庭にめったにないものばかりなので、どこの実家にもありそうな、意外な高額買い取り品を聞いてみた。

「碁盤や切手、勲章なども値がつくことがある。とくに切手は、中国切手ですね。中国初の年賀切手として1980年に発行された赤猿は有名で、1枚10万円以上になることも。昭和30年より前の中国切手も、海外にほとんど流出していないため、価値があります」(購買部の人)

 ちなみにこうした中国切手、最後は中国人に買い取られていくことが多いという。まあ、そんなお宝はないにしても、捨てようとしていた物に値段がつけば、無条件にうれしい。実家の片付けに、取り入れてみては。(ライター・福光恵)