ギブソン、バルミューダなど、ブランド名があるとやっぱり強い。一方、エルメスのトートは、流行りすぎて品物がだぶついているほか、状態も悪かったため、小さい方のみ買い取りしてもらった(上記「売買不成立」は絵画など、途中で心変わりしたものも含む)(写真:福光恵、おたからや提供)
ギブソン、バルミューダなど、ブランド名があるとやっぱり強い。一方、エルメスのトートは、流行りすぎて品物がだぶついているほか、状態も悪かったため、小さい方のみ買い取りしてもらった(上記「売買不成立」は絵画など、途中で心変わりしたものも含む)(写真:福光恵、おたからや提供)

 部屋の片づけでもっとも困難なことのひとつが、物を捨てる作業。特にまだ使えるものとなれば手放しづらくなるが、それがお金に代わるとすれば、違ってくる。今回はライターが自身の家を片付けるべく、出張買取サービスを利用してみた。

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 楽器の買い取りも行っている買い取り専門店の「おたからや」で、家に来て買い取りをしてくれる出張買い取りのサービスを頼むことにした。

 貴金属、時計、ブランドバッグなどはもちろん、楽器、カメラなど、自宅まで出向いて無料で見積もりをしてくれて、値段が見合わなければ買い取ってもらわなくてもいいという。

 これならどこの家にも、何かしらはありそう。聞けば、いかにもカネメの貴金属などでなくとも、ル・クルーゼなどのブランド鍋や、電化製品なども、場合によっては買い取りしてくれるという。お金と引き換えなら、捨てるよりずっと親にも好印象。

 まずは自分の家の荷物を出張買い取りしてもらうことにした。コールセンターに電話して、ギターや安物のブランドバッグなど、家にある売れそうなアイテムをいくつか申告。急いでいると言うと、なんと翌日、おたからやを運営する「いーふらん」の出張買取部の人が来てくれることになった。

 ここからがひと仕事だ。押し入れやクローゼットをひっくり返して、買い取りしてもらえそうなものを物色。黙って売ったら犯罪なので、さすがに夫に相談して、夫の持ち物であるノーブランドのバイオリンとビオラの売却を決定。別の楽器に買い換えたいらしいギブソンのギターやバンジョーは、「値段が折り合えば」売ることにした。

 一方、家電好きの自分のコレクションでは、お肌に潤いを与える、この時期人気のパナソニックのナノケアや、サムスンのタブレットPC、それからCOACHの犬の首輪や、一昔前に流行ったエルメスの布トートなど。また、以前、日産自動車のパーティーでもらったカルロス・ゴーン氏の顔が描かれた絵皿などを並べて、到着を待った。

「身分証明書の提示」をして、「家のなかで見積もり」するなど、古物営業法案件をクリアしたのち、いよいよ見積もり開始! 売りたい物を見せると、買取部の人が手袋で状態やラベルなどをチェック。ある程度値のつきそうなものは、細部の写真を撮って本部に送付、物によっては十数分で返事があり、買い取り価格が決定するシステムだ。

 それでは、謹んでお見せいたしましょう。ジャジャーン。まず目玉商品である「ゴーンの絵皿」。レアだし、話題だし、これは相当自信がある。

「うーん、やめておきましょう。マニアアイテムで、買う人が想定できません」

 えー。「やめておきましょう」は、「値段がつかない」の意味。たしかにゴーン氏の大ファンでもいれば買うだろうが、あんまり聞かないもんね。

 気を取り直して、自慢の品をつぎつぎ差し出すと、「やめておきましょう」がけっこうある。いったい私は、何に無駄遣いしてきたんだろう。ビューティー家電でも顔に使うものは、未使用でないのなら、「やめておきましょう」。一方、バルミューダのボットなら「聞いてみましょう」、また、タブレットPCは、なぜか電源が入らず「やめておきましょう」。ちなみに次の日見たらコヤツ、ちゃんと電源が入っていた。

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