『アイデア・スイッチ』は、サイコロを振って出た目から、辞書の言葉を引っ張り出して、自由に組み合わせることで偶然のアイデアを見つけ出す方法や、マインドマップとマンダラートを組み合わせた「はちのすノート」のデジタルデータがダウンロードできるなど、あると便利なアイデア出しのためのツールが揃う。

 世に発想法は数あれど、どんなときに、どの発想法を使えばいいのかを指南してくれる『アイデア発想法16 どんなとき、どの方法を使うか』や、ごみをポイ捨てされやすい場所に鳥居を立てて、ごみを捨てづらくするなど、人を動かす「仕掛け」のアイデアの作り方を説いた『仕掛学』なども、入門書としてオススメだ。

 ほかに元博報堂の制作部長が書いた『オリジナルシンキング増補改訂版』は、既存の発想法にとらわれない、現場からの発想のヒントが満載。また絵を描いて考えることで潜在意識の扉を開け、子どもの頃のような発想を湧き出させるという『絵コンテ発想法 寺子屋指南!』も、同様にユニークな発想法の指南書となっている。

 最後は20万部の大ヒットになった『学びを結果に変えるアウトプット大全』。著者は、メルマガ毎日発行13年、Facebook毎日更新8年、YouTube 毎日更新5年、年2~3冊の出版10年連続など、アウトプットの達人である、精神科医で作家の樺沢紫苑氏。アイデア出しというアウトプットに関連するヒントも多い。

 例えば、アイデアが生まれやすい場所として挙げるのが、「バスルーム」「バス(移動中)」「ベッド」「バー」の四つのB。「入浴中に『アルキメデスの原理』が発見されたり、猿が手をつなぐ夢をもとに『ベンゼン環』の構造が発見されたり」(同書)と、歴史的な発見も、人がリラックスできる4Bと関連していることが多いという。

(ライター・福光恵)

AERA 2018年12月17日号より抜粋