撮影/写真部・大野洋介
撮影/写真部・大野洋介
撮影/写真部・大野洋介
撮影/写真部・大野洋介
撮影/写真部・大野洋介
撮影/写真部・大野洋介

 最近、書店で見かけることの多い「アイデア本」。新しいアイデアを生み出すために、本当に有効なのだろうか? というわけで、ライターが自ら読み、実践。さらに今回は、ライターが実際に考えたアイデアを、アイデア本で成長させることも試みた。「朝、布団から出たくない」という問題に対してライター自身が考えた、時間が来ると布団に冷風が送り込まれる装置「オカンの布団めくり」、略して「オカめ」のアイデアを、本にのっとって進化させてみた。

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「サクランボ分割法」という発想法も、アイデア本でよく見かける。『アイデア大全』によれば、「既存のアイデアを元に、多くのバリエーションを得たいとき」などに活躍する発想法だという。

 同書にあった「懐中電灯」という言葉をサクランボ分割した例を紹介しよう。まず「懐中電灯」を2語で表現すると、「懐中」と「電灯」に。続いてその2語を、再びサクランボの房のように分割して「懐中」=「小さい」「軽い」、「電灯」=「光源」「電源」と分割することができる。

 これを繰り返していくと、「懐中電灯」という一つの言葉から、「スリム」「LED」「有機EL」「蓄電池」「ダイナモ」「振動自動巻き」などの多くのワードが生まれてくる。あとは、それらを自由に組み合わせて、例えば「LED」を光源に、「ダイナモ」と「蓄電池」で、電池のいらない懐中電灯のアイデアなどにつながっていく。

「オカめ」でも試してみた。正式名称「オカンの布団めくり」をまず2語で表現。「冷風機」と「目覚まし時計」とかなんとか、続いてその2語も分割して「ファン」「低温」、「五感」「目覚め」の4語に。さらに「電気」「風」、「感覚」「寒さ」、「人」「触覚」、「活動」「スターター」など孫やひ孫ワードをどんどん増やしていく。

 これらを自由に組み合わせて、今度はファンですごい「強風」を起こして、ヘアをボサボサにしながら「目覚める」装置など、新しいアイデアが生まれる仕組みだ。

 こうして、「オカめ」プロジェクトが充実してきたところで、ほかのアイデア本も見てみた。発想法の数を揃えた辞書的な本以外で多いのは、アイデア出しのディテールを凝縮した本。

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