宇野昌磨 GPファイナル一番乗りでも「好調ゆえの悩みがある」 (2/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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宇野昌磨 GPファイナル一番乗りでも「好調ゆえの悩みがある」

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NHK杯のショートプログラムで演技する宇野昌磨。GPファイナルは、12月6~9日、カナダ・バンクーバーで開かれる (c)朝日新聞社

NHK杯のショートプログラムで演技する宇野昌磨。GPファイナルは、12月6~9日、カナダ・バンクーバーで開かれる (c)朝日新聞社

 しかし、せっかく高まった興奮や集中力を落とすわけにはいかない。

 樋口美穂子コーチも言う。

「試合になると勢いよく行って(前傾になって)しまう。かといって力を抑えると失敗に繋がる。他の選手でも、試合になるとジャンプが高く上がりすぎて降りられないケースも見ますし、力の加減は難しい」

 NHK杯までの約10日間の練習では、宇野は4回転トウループは絶好調だった。ミスは試合でだけ起きるため、本番でしか原因追究ができないのだ。

「もう一度、全力で跳んでみよう。どうやったらコントロールできるのか試合で確かめたい。イメージ通りのミスをしても、失敗も成功も受け入れよう」

 宇野はそんな思いで初出場となるNHK杯を迎えた。広島のグリーンアリーナは、観客席の一番上まで超満員。オリンピック銀メダリストとして出場する宇野は、大会の主役だった。大歓声に迎えられた。

「これだけのお客さんが入るのは日本だけ。ありがたいこと。せっかく来てくれているんだから、期待に応えられるよう責任感をもって演技しよう」

 気持ちが高ぶり、知らず知らずのうちに力が入る。SPの前の6分間練習では、4回転フリップまで回りすぎて前傾になってしまった。つまり「360度×4」よりも回っていたのだ。

 宇野は即座にクールダウン作戦に出た。他の選手が必死にジャンプを練習するなか、なるべく心身をリラックスさせようと両手をブラブラとさせながらリンクをただ回遊し続けた。本番では4回転フリップもトリプルアクセルも、成功させた。

「練習ですべてのジャンプが前傾になっていました。その修正はなんとか冷静にできたけど、4回転トウループは前傾というだけじゃなくて、回りすぎたところで降りてしまいました」

 4回転トウループは転倒。今季3戦連続でのミスとなった。

「もういい加減、この『回りすぎ』というものにしっかり向き合わないといけない」

 そう宣言すると、夜のミーティングでも朝の公式練習でも、「試合での4回転トウループ」の対策を考えた。


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