7月になって、ある認証保育所から空きの連絡があったが、長女はまだ生後4カ月。もう少し手元で育てたいのが本音。降ってわいた入園のチャンスに戸惑っていると、園側から「9月入園」を提案され、その通りにした。ただし、代償は大きい。

 同市では、認可園への申し込みの際、認証園などの利用世帯には加点がつくが、10月までに3カ月以上利用していることが条件。9月から認証園を利用した女性の場合は対象外だ。来年4月の認可園転園を狙うが、希望がかなう可能性は低いという。

 川崎市に住む自営業の女性(39)は妊娠前に夫と話し合った。

「2人目は絶対4~10月に出産しよう。それができなければもう一人っ子でいいやって」

 同市では0歳児の受け入れを生後5カ月児以降とする認可園が多く、早生まれどころか11月以降でも4月入園が難しい。長女(4)は6月生まれだが0歳児の保活で全落ちし、あの苦労を二度と味わいたくなかった。

 幸い、長男(0)は5月に生まれた。来年4月には、きょうだいがいることで加算される「きょうだいポイント」を利用し、長女が通う認可園に長男を入れたいと思っている。(ライター・越膳綾子)

AERA 2018年10月29日号より抜粋